実習再開、笑顔戻る 東海大阿蘇キャンパス 

学生たちが2年ぶりに参加して行われたヒツジの毛刈り=26日午後、南阿蘇村の東海大阿蘇キャンパス(小野宏明)

 東海大は、熊本地震で大きな被害を受けた南阿蘇村の阿蘇キャンパス(農学部)での実習を本格的に再開した。26日、牧場実習の一環として実施したヒツジの毛刈りを報道陣に公開。バスで通う学生たちは2年ぶりに毛刈りを手掛け、「技術を学びたい」と意欲を新たにしていた。

 畜産を学ぶ応用動物科学科2年の38人が参加した。学内で飼育するヒツジ7頭の暑さによる体力消耗を防ぎ、健康状態を確認するのが目的。毎年春に行うが、昨年は学生の代わりに大学職員が実施した。

 3班に分かれた学生達は職員の指導を受けながらヒツジを抱え込んで座らせると、1年間で10~15センチに伸びた毛にバリカンを当て、慎重に刈り取った。神田千尋さん(19)は「力加減が難しかった。阿蘇キャンパスに定期的に通えるようになったので、座学だけでなく技術もしっかり学びたい」と話していた。

 同大農学部は、長陽大橋ルートの開通などで交通アクセスが改善した昨秋から、阿蘇キャンパスでの実習を土曜日に集中させるなどして試験的に再開。屋外施設の安全性が確認されたとして、今春からは牧場実習や農場実習を時間割に組み込んだ。2~4年生が1週間に2日程度バスで通う。

 阿蘇キャンパスの校舎全3棟が損壊するなどした同大農学部は地震後、熊本キャンパス(熊本市)で授業を実施。実習は同キャンパスの近隣施設を借りるなどしていた。

 同大は農学部の再建に向けた方向性を3月に発表。益城町の宇宙情報センターを新キャンパスとして農場や畜舎を整備する。2019年3月に実習施設を完成させる阿蘇キャンパス、熊本キャンパスと併用する。(田上一平)

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