大和市 3年連続 待機児童ゼロ 入所希望者は過去最高 約4千人 大和市

 大和市は、2018年4月1日現在の保育所入所待機児童数が3年連続でゼロとなったと発表した。入所希望者は過去最多の3996人だったが、市は施設の新設や既存施設の定員拡大を行うことで需要に対応した形だ。

 大和市では待機児童の解消を市の「最重要課題の1つ」と位置づけている。昨年2年連続でゼロを達成した後も、この1年で、認可保育所2施設(ヴィラまなびの森保育園中央林間、キンダーガーデンりんかん)、小規模保育所事業所4施設(とこちゃんおむすび保育園、まあむベイビィズ中央林間、たんぽぽ保育園、あおば保育園)を新設。また2カ所の認可保育所(あっぷる園、西鶴間保育園)で分園増設を行ったほか、既存施設の定員拡大を図り、358人分の定員を増やした。

 結果として、2013年の同時期と比べ、保育所等の数は42カ所増の60カ所に、入所定員数は約2100人増の3813人になった。今年の入所申込み人数は過去最多の3996人だったが、保育サービスの情報提供を行う専門相談員「保育コンシェルジュ」等の職員が保護者の意向や状況を確認して対応した。

ゼロ継続目指す

 大木哲市長は「これまで取り組んできた様々な施策が実を結んだことによって、本市の人口増につながっていると考える。当面の間、保育需要の増加傾向は続いていくと思われることから、この結果に満足することなく、待機児童ゼロの継続に向けて取り組んでいく」とコメントした。

 市ほいく課によると、「待機児童ゼロ」の継続が評判を呼び、入所希望者が大和に転入するケースもあるという。市は、来年度は入所希望者がさらに増えると見込んでいるため、保育所の新設や分園の増設をし、定員を372人増やす計画だ。また、幼稚園を保育の受け皿として活用するため、4月からは中央林間東急スクエア内の子育て支援施設で幼稚園児対象の送迎ステーション事業を開始(=中面に関連記事)。また2歳児の受け入れを働きかけ、長時間(11時間)と土曜預かりを行う幼稚園も現在の2園(モミヤマ幼稚園、大和山王幼稚園)から増やしたいとしている。

「隠れ」も減少

 昨年273人に再増加した入所保留児童数は、208人に減少。入所保留児童とは保護者が求職活動を休止している場合や、他に利用可能な園がありながら特定の園を希望し入所できない児童のことで、「隠れ待機児童」とも言われる。市ほいく課は「この1年で施設を整備したことである程度カバーでき、入所保留児童数の減少につながったと考える。しかし入所できていないという事実はあるので、入所保留児童のことも考えながら、さらなる定員の増加を計画し取り組む」と話した。

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