ロードバイクを預けて銭湯へ! 東京・立川の銭湯「昭島 富士見湯」がサイクリスト向け自転車預かりサービスをスタート

町の銭湯が「スポーツバイク預かりサービス」をスタート! 銭湯×スポーツバイクというまさかのコラボを聞きつけた銭湯好き編集部員が、さっそくペダルをこいで出撃。

東京西部のターミナル駅・立川、そして人気のサイクリングスポット・多摩川サイクリングロードから約5kmの位置にあるのが、その「昭島 富士見湯」だ。

ロードバイクで銭湯詣

銭湯サイクリスト!?に朗報だ。これまでロードバイクに乗って銭湯に行こうと思っても駐輪場が無い、外に置いておくだけという場合がほとんど。湯に浸かるとなれば、長時間自分の愛車から目を話すことになってしまう。それでは不安で、おちおち湯船にも浸かっていられない……。

そんな銭湯サイクリストの気持ちを汲んでくれたのが、東京・立川の銭湯「昭島 富士見湯」。「『サイクリストに向けた自転車預かりサービス』を3月1日より開始した」という内容がSNSで公開され銭湯サイクリストの間で話題を呼んだ。

その投稿を見て、いてもたってもいられなくなった筆者。週に一度は銭湯に浸からないと気が済まない身として、これは取材するしかないと早速自転車に乗って、汗をかきかき富士見湯を訪ねた。

多摩川サイクリングロードから自転車で5分ほど、そして昭和記念公園のすぐそばという立地にあるこの「昭島 富士見湯」。1953年に創業し、以来地元の人々に愛されてきた"ザ・町の銭湯"だ。経営者が変わった約2年前に店舗を全面改装。同時に営業時間を昼の12時から朝の10時までと夜通しの営業するなど、スタイルを変更しながらさまざまな試みを行うことで、新たな銭湯ファンの獲得に務めてきた。

このバイク預かりサービスもその一環で、多摩川や奥多摩にほど近いこの立地を活かし経営者の友人であるサイクリストの勧めもあって「サイクリストに、もっと来てもらおう!」との思いを込めてスタートした。

気になるバイクを預けるスペースというのは、なんと番台横のマッサージチェアが並ぶくつろぎスペース上の空間! ここに専門業者の手により、専用の吊り下げラックを設置したのだ。

ユーザーは台に登ってラックからぶら下がるフックに前後輪を引っかけ、受付で借りられる鍵をかけて駐輪が完了する。吊るしラックには現在バイク1台あたり20kg、ラック全体としては5台まで駐輪することができる。

バイクはそれぞれ持ち主が自ら持ち上げて、一度バイクを上下にひっくり返す必要がある。もし力に不安がある人は、仲間に手伝ってもらえればベターだ。吊り下げる高さとしては平均成人男性の身長であれば問題はない程度。

またラックの下に縦置きタイプのスタンドも追加で設置され、現在(2018年4月)では最大8台のスポーツバイクを預けることが可能だ。今後吊り下げスペースは追加していく予定とのことだ。

ここでバイクを預けたら、あとは券売機でチケット( 入浴代:大人460円)を購入して浴室へGO! 

まず入って圧巻の銭湯絵は、おなじみの富士山をメインとしつつ縁起のいい招き猫などのキャラクターが彩り豊かに大きく描かれており、ハツラツとした印象。

ボディソープとシャンプー/リンスが用意された広い洗い場。そして浴槽は高温、中温、低温(電気風呂付き)、水風呂、露天風呂、寝風呂、子ども用家族風呂、そしてサウナ(別途料金なし)と江戸っ子にも生粋の関西人にも満足できるラインナップだ。

ゆっくりと湯船に浸かって銭湯絵を楽しむもよし、サウナと水風呂を往復するもよし。バリエーション豊かな浴槽が揃うので、普段からあまり銭湯に馴染みがない人も銭湯の楽しさを味わえる。もちろん銭湯好きにとってはパラダイスの様なシチュエーションだ。これは長湯必須と、湯船に入る前はきっちり水分補給してから臨みたい。

そして荷物を減らしたいサイクリストにとっては、レンタルタオルセット(フェイスタオルとバスタオルのセット:200円)を活用するというのもアリだろう。

メインである湯浴みを満喫したあとは休憩スペースも是非チェックし ていこう。ここではマンガ好きの支配人が選りすぐった、幅広いジャンルのマンガ6000冊を手にとって読むことができる。まるで豪華なマンガ喫茶かのような内容で、深夜から朝まで営業しているのに料金は通常の銭湯と変わらないとあれば、この富士見湯が近所にあれば本当に毎日通いたくなってしまう。(text&photo:江里口恭平)

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