小田急電鉄(東京都新宿区)は27日、海老名市めぐみ町の小田急線海老名駅西口側隣接地に同社初の鉄道博物館「ロマンスカーミュージアム」を2021年春に開業すると発表した。歴代の特急ロマンスカーと開業当初の通勤車両を展示するほか、ジオラマ、電車運転シミュレーターなどを置き、「全国の私鉄博物館の中でも最大規模」(同社)になる見通しだ。
4千平方メートルの敷地に鉄骨2階建て延べ床面積4400平方メートルのミュージアムを建てる。1階に初代の流線形ロマンスカーとして有名なSE、前面展望席を設けたNSEなど歴代のロマンスカー5種類と、1927年の開業当初に使われたあずき色の通勤車両「モハ1」形の計11両を展示する。
2階には沿線の様子を再現したジオラマ、電車運転シミュレーター、子どもたちが自由に遊べるキッズゾーン、大人が楽しめるカフェなどを設ける。屋上はビュースポットで、間近に走る車両の様子を楽しめる。
同社は「小田急にとって最大のブランドであるロマンスカーに特化した」と説明。海老名駅周辺は商業集積が進んでおり、同社も駅周辺で商業施設やマンションなどの開発を進め、相乗効果が見込めることで海老名を選んだという。総事業費約32億円。年間27万人程度の来訪者を見込む。
私鉄では東武鉄道の東武博物館、東京メトロの地下鉄博物館などがあるが、小田急電鉄では「歴代の特急を展示することやジオラマの規模など、私鉄最大規模のミュージアムになる」としている。