西武の快進撃、中日は松坂効果で大幅増か? GW前のNPB観客動員数

中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】

パ・リーグの観客動員は昨季よりも微増

 4月28日からゴールデンウィークがスタートした。NPBも9連戦が行われるなど変則スケジュールに突入している。今回は今季ここまで12球団の観客動員数を、昨年と比較しよう。

【パ・リーグ 4月27日までの観客動員】数字は1試合平均

○ソフトバンク △1.5%
2018年 3万3296人(12試合 39万9547人)
2017年 3万2806人(11試合 36万0863人)

○日本ハム ▼6.2%
2018年 2万8667人(12試合 34万3998人)
2017年 3万0567人(8試合 24万4539人)

○西武 △19.9%
2018年 2万5012人(10試合 25万0117人)
2017年 2万0860人(11試合 22万9457人)

○楽天 ▼13.6%
2018年 2万3420人(14試合 32万7875人)
2017年 2万7122人(9試合 24万4095人)

○オリックス ▼9.9%
2018年 1万8992人(8試合 15万1938人)
2017年 2万1071人(13試合 27万3921人)

○ロッテ ▼2.0%
2018年 1万8728人(9試合 16万8549人)
2017年 1万9116人(13試合 24万8506人)

○パ・リーグ △2.5%
2018年 2万5262人(65試合 164万2024人)
2017年 2万4637人(65試合 160万1381人)

 パ・リーグ全体では微増だった。平均観客数は2.5万人を超えたが、各球団の動員にはばらつきがある。ソフトバンクは微増だが、毎年夏前から観客数が増える傾向にある。まずまず順調ではないか。

 日本ハムは昨年比6.2%減。24日からの札幌でのオリックス戦での観客数が2万人そこそこと伸び悩んだ。大谷翔平の移籍が影響している可能性はあるだろう。昨年、後半からチームの好調が続いている西武は、1試合当たり4000人以上増加。メットライフドームに観客が詰めかけている。

 昨年まで上昇傾向が続いていた楽天は、前年比13.6%減。地方球場での主催試合はなく、本拠地・楽天生命パークだけでの数字だ。チーム不振の影響があるのか。オリックスは、観客動員が2万人を割った。昨年も動員は低迷していたが、その傾向が続いている。

 ロッテは微減。昨年は開幕から不振だったが今季は盛り返している。それでも動員は増えていない。パ・リーグ全体での観客増の大半は、西武1球団の増加による。他球団は低迷していると言えよう。

セ・リーグの観客動員数は…

【セ・リーグ 4月27日までの観客動員】数字は1試合平均

○阪神 △2.8%
2018年 4万1189人(12試合 49万4265人)
2017年 4万0069人(11試合 44万0763人)

○巨人 △4.9%
2018年 3万8822人(11試合 42万7037人)
2017年 3万7007人(9試合 33万3065人)

○中日 △14.3%
2018年 2万9422人(11試合 32万3647人)
2017年 2万5731人(15試合 38万5966人)

○広島 ▼3.0%
2018年 2万9311人(9試合 26万3802人)
2017年 3万0209人(12試合 36万2510人)

○ヤクルト △6.5%
2018年 2万8207人(9試合 25万3865人)
2017年 2万6479人(9試合 23万8311人)

○DeNA △3.0%
2018年 2万8123人(13試合 36万5594人)
2017年 2万7306人(12試合 32万7667人)

○セ・リーグ △6.6%
2018年 3万2742人(65試合 212万8210人)
2017年 3万0710人(68試合 208万8282人)

 セ・リーグは6.6%の増加。6球団中5球団が平均観客数を増やしている。

 阪神、巨人は微増。阪神は春先にセンバツ高校野球があるため甲子園ではなく京セラドームで主催試合を行うが、これが好調だった。巨人は開幕3連戦が満員札止めになった。

 観客動員の低迷が続いていた中日が14.3%の大幅増。今年は春季キャンプのファン数が激増し、話題となったがその勢いが続いている。松坂大輔効果ではないかと言われている。

 広島はセで唯一平均観客数が減少。しかし、これは4月17日に収容人数が1万5000人の呉市二河球場で主催試合を行ったためで、実質的には減少していない。ヤクルトは昨年に続き好調。ヤクルト関連の書籍が多く発行されたことと関連性があるかもしれない。

 DeNAも昨年より増加。本拠地横浜スタジアムの定員は12球団の本拠地では最少の3万人。動員率は93.6%と飽和状態に近い。

○NPB全体 △4.5%
2018年 2万9002人(130試合 377万0234人)
2017年 2万7742人(133試合 368万9663人)

 NPB全体では4.5%の増加。このペースでいけば、今季は昨年を超える2600万人にも手が届くだろう(昨年は2513.9万人)。しかし、12球団で好不調のばらつきが出ている。特に、パ・リーグでは平均観客動員が2万人を割る球団が2つになったのは気がかりだ。今後の推移を見守っていきたい。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

© 株式会社Creative2