JRと東武、日光に似た経緯の車両_東武は18m車を捨てなかった

日光に走るふたつの路線、JR日光線と東武日光線。国鉄時代は、日光詣客の争奪戦をくりひろげたライバル同士。

いまは、JRと東武の線路を互いに行き来する、新宿発東武日光行き特急電車、東武100系スペーシア、JR253系1000番台が走っている。

この日光エリアに、この夏、新たな車両が入ってくる。東武伊勢崎線と東京メトロ日比谷線を直通する、東武20000系。

20000系は、日比谷線むけとして車体長18メートルでつくられた。

この20000系、地下鉄直通用車両として30年間働き、こんどは日光線や宇都宮線に活躍の場を移す。

東武は、車体長20メートルの日比谷線直通用車両 新型70000系投入を継続。余剰となった18メートル車両20000系の内外装を改装し、「新たな車両」として、日光線 南栗橋以北、宇都宮線で走らせる。

東武は18メートル車両を捨てなかった。そして、JRと東武は、似た経緯の車両が走ることに。

JRは、京葉線や埼京線で走っていた205系を改造し、600番台として日光線を走らせている。

今回、東武日光線に改良型20000系が入ると、「かつては都心の地下を走っていたくるま同士」が、こんどはいっしょに日光の線路を駆ける。

現在の20000系は、JR205系600番台と似た、茶系ワインレッドの帯を巻く。改良版はこのワイン色をやめて、青と黄の2色帯で、走る。

3ドアの間には、現在活躍する6050系のように、ボックスシートやクロスシートが入るか―――。

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