ジャイアンツ・サンドバルが1回3人斬りの好投
ジャイアンツのパブロ・サンドバル内野手が28日(日本時間29日)の本拠地ドジャース戦で6-15と大量リードを許した9回に自身プロのキャリアを通じて初めて投手を務めた。マウンドではカーブを操り、ドジャース打線を華麗に3者凡退に仕留めており、現地で話題となっている。
この日のダブルヘッダー1試合目。大敗ムードで意気消沈する本拠地AT&Tパークを「カンフー・パンダ」の愛称で知られる男が沸かせた。9回表、大歓声の中、チーム5番手としてマウンドに上がったのは2012年にワールドシリーズMVPを獲得している内野手だった。
メジャー11年目のベテランはゆったりとしたフォームから緩急を使い分ける技巧派右腕へと変貌。先頭打者のマンシーを二ゴロに仕留めると、続くグランダル相手に投球がさえ渡った。初球に69マイル(約111キロ)のカーブでストライクを奪うと、観衆は大喜び。外角にさらに2球カーブを続けた後、外角低めに87マイル(約140キロ)のチェンジアップを投じて再びストライク。2-2に追い込んだ後、最後はこの日、最速88マイル(約142キロ)のファストボールで三ゴロに仕留めた。
続くテイラーもチェンジアップとカーブで追い込むと遊ゴロに。完璧に3者凡退で仕留めたサンドバルは大興奮のファンからスタンディングオベーションで出迎えられた。
11球で3人斬り、「ショウヘイ・オオタニのジャイアンツ版だ」
MLB公式サイトによると、ジャイアンツの本拠地試合で野手がマウンドに上がるのは1991年の7月4日のグレッグ・リットン以来だったという。
この日は11球を投げて、ストライクは8球。ジャイアンツのこの日の投手陣で随一のピッチングとなった。
2度のオールスター出場を誇る31歳の華麗な二刀流ぶりに、地元ファンも大興奮。ツイッター上ではエンゼルスの大谷翔平と比較する声も上がり、「パブロ“ショウヘイ・オオタニ”サンドバルにはエグいカーブがある」、「パブロ・サンドバル、あるいはパブロ・オオタニ?」、「パブロ・サンドバルはショウヘイ・オオタニのジャイアンツ版だ」、「パブロ・サンドバルがいたから、ジャイアンツはオオタニを獲得する必要がなかった」などの声が寄せられている。
サンドバルのまさかの登板は大敗の中で本拠地を大いに盛り上げることになり、ジャイアンツはダブルヘッダーの2戦目を8-3で勝利した。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)