簡単なようで難しい、高い打撃技術を誇る巧打者の証 パ・リーグ犠飛王は?

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西武・栗山巧【写真:荒川祐史】

過去5年間のパ犠飛ランキング、昨年は西武・秋山ら4選手が7個

「犠飛」は、よく「最低限の仕事」と称される。しかし、無死または1死三塁の状況ともなれば、相手バッテリーは当然それ相応の対策を講じてくる。そんな中で、深い外野フライを打ち上げて確実に1点を取る打撃技術は、周囲が考えている以上に難しいものだ。

 そこで今回は、過去5年間のパ・リーグ犠飛ランキングから、出色の成績を残している選手について紹介していきたい。

〇過去5年間のパ・リーグ犠飛ランキング
【2013年】
1:今江敏晃(ロッテ)11
2:小谷野栄一(日本ハム)10
3:松田宣浩(ソフトバンク)7
4:アブレイユ(日本ハム)6
4:枡田慎太郎(楽天)6
4:鈴木大地(ロッテ)6
4:ジョーンズ(楽天)6
8:長谷川勇也(ソフトバンク)5
8:ヘルマン(西武)5
8:内川聖一(ソフトバンク)5
8:マギー(楽天)5
8:島内宏明(楽天)5

【2014年】
1:栗山巧(西武)9
2:浅村栄斗(西武)8
3:内川聖一(ソフトバンク)7
3:長谷川勇也(ソフトバンク)7
3:中田翔(日本ハム)7
6:松井稼頭央(楽天)5
6:嶋基宏(楽天)5
6:クルーズ(ロッテ)5
9:糸井嘉男(オリックス)4
9:銀次(楽天)4
9:松田宣浩(ソフトバンク)4
9:鈴木大地(ロッテ)4
9:角中勝也(ロッテ)4
9:安達了一(オリックス)4
9:今宮健太(ソフトバンク)4
9:ミランダ(日本ハム)4
9:鶴岡慎也(ソフトバンク)4

【2015年】
1:松田宣浩(ソフトバンク)8
2:内川聖一(ソフトバンク)7
2:藤田一也(楽天)7
2:浅村栄斗(西武)7
2:中田翔(日本ハム)7
6:近藤健介(日本ハム)5
6:クルーズ(ロッテ)5
8:銀次(楽天)4
8:T-岡田(オリックス)4
8:栗山巧(西武)4
8:明石健志(ソフトバンク)4
8:安達了一(オリックス)4
8:後藤光尊(楽天)4
8:レアード(日本ハム)4
8:今宮健太(ソフトバンク)4
8:田村龍弘(ロッテ)4

【2016年】
1:内川聖一(ソフトバンク)9
2:鈴木大地(ロッテ)7
2:デスパイネ(ロッテ)7
2:メヒア(西武)7
5:角中勝也(ロッテ)6
5:浅村栄斗(西武)6
5:秋山翔吾(西武)6
8:T-岡田(オリックス)5
8:松田宣浩(ソフトバンク)5
8:中田翔(日本ハム)5
8:今宮健太(ソフトバンク)5

【2017年】
1:秋山翔吾(西武)7
1:柳田悠岐(ソフトバンク)7
1:栗山巧(西武)7
1:レアード(日本ハム)7
5:浅村栄斗(西武)6
5:中村剛也(西武)6
7:中島宏之(オリックス)5
7:中村晃(ソフトバンク)5
7:岡島豪郎(楽天)5
10:金子侑司(西武)4
10:源田壮亮(西武)4
10:鈴木大地(ロッテ)4
10:炭谷銀仁朗(西武)4
10:田村龍弘(ロッテ)4
10:駿太(オリックス)4
10:中田翔(日本ハム)4

ランキング上位常連はチャンスに強い好打者たち

 2016年の「犠飛王」をはじめ、2位タイと3位タイにもそれぞれ1度ずつ入っているソフトバンクの内川はさすがだ。外野フライがほしい場面でその高い打撃技術が存分に生かされているようで、長期離脱を強いられた昨シーズン以外の4年間全てでトップ10入りを果たすという安定感を誇っている。

 また、2015年にその内川をかわしてランキングのトップに立ったチームメイトの松田も、昨季以外の4シーズン全てでトップ10入りし、持ち前のパワーと勝負強さを証明している。そして、日本ハムの主砲・中田も故障離脱した2013年以外はトップ10入り。2度の打点王に輝いた理由の一端を示している。

 ただ、ここ5年の間で複数回にわたってリーグトップの犠飛を記録した選手は1人だけ。その選手とは、2014年と2017年に2度の「犠飛王」に輝いている西武の栗山だ。昨季は116試合の出場にとどまり、規定打席にも到達できなかったが、リーグトップタイとなる7本の犠飛を放った。年間での本塁打数は12本が最多と決して長距離砲タイプではないが、そのずば抜けた選球眼と打撃センスは、チャンスの局面においてより生かされていると言えそうだ。

 ランキングから分かる通り、犠飛はリーグ最多でも10個を下回るケースが多い。この数字からも、犠飛を打つことがいかに難しいかが読み取れるだろう。しかし、栗山や内川のようにほぼ毎年安定して多くの犠飛を成功させ、貴重な得点をもたらす打撃職人たちもまた存在しているのだ。「最低でも外野フライ」という場面で、確実に最低限以上の仕事をやってのける男たちの活躍に、今季も大いに期待したい。

(Full-Count編集部)