落語で弁護士が憲法語る 藤沢

 5月3日の憲法記念日を前に、弁護士が憲法を落語で語る講演会「目からうろこの憲法噺(ばなし)」が30日、藤沢市鵠沼東の藤沢市民会館で開かれた。伝統的な話芸による日本国憲法の解説に、330人超の参加者は熱心に聞き入った。「ふじさわ・九条の会」主催。

 落語を披露したのは、弁護士の飯田美弥子さん。ハンセン病国賠訴訟や再審布川事件の弁護団などを務めた。2013年5月以降、憲法を分かりやすく伝えようと、芸名「八法亭みややっこ」として全国各地で講演している。

 この日は、日本国憲法の理念は13条「すべて国民は、個人として尊重される」に集約されていると紹介。「誰でも好きなように生きていいんだよ、と言っている。何を幸せと思うかは人によって違うし、それを最大限追求することを憲法は保障してくれている」と語った。

 その上で、12年の自民党憲法改正草案は「国家のために国民がいるという発想になっている」と問題視。13条の「個人」が「人」に置き換えられている点を指摘し、「国家が考える人から外れた人は、権利を剥奪しても良いと思っている節があるのでは」と批判した。

 安倍晋三政権下で憲法改正論議が進められる中、飯田さんは、無知や無関心でいることなく声を上げ続けることの大切さを訴えた。

憲法を落語で解説する飯田弁護士=藤沢市民会館

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