【春の褒章と叙勲】石原氏(元古河電工社長)に旭重、根津氏(前OECD鉄鋼委員会議長)に瑞中 榎本氏(城北伸鉄会長)は藍綬

 政府は29日付で春の褒章と叙勲の受章者を発令した。本紙関係では、叙勲で元古河電工社長の石原廣司氏が旭日重光章の栄に浴する。また、OECD(経済協力開発機構)鉄鋼委員会の議長を務めた根津利三郎氏、元八戸工業高等専門学校長の井口泰孝氏が瑞宝中綬章を受章する。

 褒章では、元日本磨棒鋼工業組合理事長の榎本哲也氏(城北伸鉄会長)が藍綬褒章を受章。また、新日鉄住金の熊野幸雄氏(広畑製鉄所)らが、長年一つの仕事に打ち込んできた卓越技能者に贈られる黄綬褒章を受章する。

 叙勲の重光章伝達式は5月8日、中綬章以下の伝達式は同10日、褒章の伝達式は同15日に行われる。

 叙勲で旭日重光章を受章する石原氏は日本電信電話公社(現NTT)の出身。NTT常務などを歴任し、99年に古河電工に入り、専務を経て、03年に社長に就いた。この間、日本電線工業会会長を務めるなど業界発展に尽力した。

 瑞宝中綬章を受章する根津氏は70年に通産省(現経済産業省)入省。鉄鋼業務課長や大臣官房審議官などを歴任。退官後の06年にOECD鉄鋼委員会の議長に就いた。議長職は約10年に及び、各国政府の担当者との意見交換を通じ世界鉄鋼業界の発展に貢献した。

 同じく瑞宝中綬章を受章する井口氏は専門が金属工学。日本鉄鋼協会理事、日本金属学会会長などを歴任した。

 藍綬褒章を受章する榎本氏は日本磨棒鋼工業組合理事長と関東磨棒鋼工業協同組合の理事長を2013年から4年間務めた。理事長在任時には、関東・関西・中部の3地区組合で災害など緊急時における「応急代替生産の協力体制(BCP構築)」をまとめたほか、技術伝承を促進する「磨棒鋼マイスター制度」の創設にも尽力した。

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