人型重機も…ロボットに独創性 中小企業やベンチャー挑戦

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人機一体が開発しているロボット(右奥)。手前の操作機に人間が乗り込み、制御する(草津市・立命館大学BKCインキュベータ)

 省人化や自動化のニーズ拡大で成長が見込まれるロボット産業に、中小企業やベンチャー企業が挑戦している。人間の手のような繊細な力加減を持つ産業用ロボットが実用化され、人が思うままに操れる人型重機の開発も進む。大手にはない独創的なアイデアや技術で市場を切り開こうとしている。

 生産自動化技術を手掛けるスキューズ(京都市南区)は4月、人間の手の形状や動きを忠実に再現した産業用ロボットハンドの本格販売を始めた。

 風船状の人工筋肉に送り込む空気を調節することで、5本の指を閉じたり、開いたりする。つかめる物体は直径100ミリ以下、質量500グラム以下ながら、ブドウやモモなどの果物、コロッケなどの総菜といったデリケートな食品を取り扱うのに向いており、農作物の収穫や弁当の盛り付けなど、人手に頼っている作業の効率化につながるという。

 ロボットハンドや制御プログラムなどがセットになった開発キットで価格は198万円(税別)。オプションで産業用ロボットアームに取り付けられるフランジも付けられる。「工場自動化関連のメーカーや商社から引き合いがある」(管理部)といい、年間20台の販売を目指す。

 二足歩行可能な人型重機を開発しているのが、立命館大発ベンチャーの人機一体(滋賀県草津市)だ。ロボットと操作機を通信で結んで制御する「マスタスレーブ」という技術を用い、人が操作するのを特徴にしている。

 上半身型ロボットの「MMSEBattroid(バトロイド) ver.1.0」は、操作者とロボットの動きを双方向に作用させる制御技術を取り入れており、あたかも自分の首や腕を動かすようにロボットを自在に操縦できる。ロボットの目にあたるカメラと操作者が頭部に装着するディスプレーもつながっており、ロボットの視野を共有できる。

 社長を務める金岡博士は「ロボットというと人工知能などが動かす自律型が一般的だが、現状ではロボットの能力を十分に引き出せない。そのために、人が操作するロボットを開発している。人間の身体的な機能を拡張して人間以上の力や器用さを発揮させるのが基本的コンセプトだ」と狙いを説明する。

 同社は人間の力を飛躍的に増幅させる「パワーエフェクタ」と呼ばれる技術も持つほか、平らでない地面を歩ける下半身ロボットも開発中だ。2020年までに高さ4メートル級の実用化試作機を完成させ、物流や土木建築、重工業、災害復興などの幅広い用途で活躍させることを目指す。