ソフトバンク内川、9回に4番の重責果たせず 「残念な男だなと思います」

ソフトバンク・内川聖一【写真:藤浦一都】

9回、意地でつないだ2死満塁も結果残せず

 6日のオリックス戦、2000本安打に王手をかけていたソフトバンクの内川聖一内野手はノーヒットに終わり、大記録達成は8日の西武戦以降に持ち越された。

 内川のホームでの大記録達成を見ようと、GW最終日のこの日もヤフオクドームは多くのファンで埋め尽くされた。初回の第1打席は三ゴロ。3回の第2打席で四球を選ぶと、スタンドからは大きなため息が漏れた。

 1点を追う5回には1死一、三塁で第3打席が回ってきた。「ゴロだけは打たないように」という気持ちで打席に入った内川はセンターへ同点の犠牲フライ。4番としての最低限の役割は果たした。ノーヒットのまま迎えた7回の第4打席。ここでも初球を叩いてサードへのゴロに終わる。

 そして3点を追う9回。2死走者なしから高田知季、今宮健太のヒット、柳田悠岐の四球で奇跡的にこの試合5打席目が回ってきた。ネクストで柳田の四球を見届けた内川は少し笑ったように見えたが「これで打たないと本当にヘボだなと思っていた」という。

 快音は残したが、ライトへの打球はロメロのグラブに納まりゲームセット。内川は2000本目を逃したことよりも、チームの敗戦を重く受け止めた。「4番としてあそこで試合を終わらせてしまうのが残念な男だと思います。それ以外にないです」と硬い表情で帰りの車に乗り込んだ。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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