拡管式継手工法のメカニカル継手、ベンカンが新製品発売

 ステンレス製メカニカルジョイントなどの配管機材メーカーであるベンカン(本社・群馬県太田市、社長・岡本昭三氏)は、同社の拡管式継手工法メカニカル継手「BKジョイント」をベースに「BKジョイントII」を開発し、今月1日から一部地域で販売を開始した。袋ナットの緩み抑制力やゴムリングのシーリング性能、耐久性を向上。建築設備配管向けをターゲットに拡販を図っていく。

 拡管式のメカニカルジョイントは、パイプの管端を拡管させることで装着した袋ナットを継手本体にねじ込み、継手に内蔵されるゴムリングでシールして接合する。

 「BKジョイントII」では、継手の袋ナットに特殊加工を施して継手本体から緩むのを抑制する機能を強化。20Suで袋ナットを緩み方向に回転させた場合、180度回転以降の袋ナットの緩みトルクは従来のBKジョイント比で50%大きくなった。

 継手に内蔵するゴムリングは、容量を大きくすることでシール性能と耐久性能を向上させた。ゴムリングの容量が大きくなったことでゴムの劣化速度はBKジョイントと比較して30%遅くなっている(現在、継続試験中)。

 拡管式は従来工法の「ねじ込み継手」に類似した施工で、作業者にとって馴染みやすい工法。一方、袋ナットは振動や共回り、締付不足など配管環境によって緩む危険性がある。また配管の使用条件も建築環境の変化に合わせて、より過酷になってきた。BKジョイントIIはこれら課題に対応し、より安心して長期間、高品質のライフライン提供を目指す継手として位置付ける。

 すでに多くの受注量があり、供給面でのトラブルを避けるため北海道と九州で先行販売をスタートした。今後、供給体制を見ながら全国に販売地域を拡大する予定。

 同社のプレス式、拡管式、ワンタッチ式といった異なる接合構造のメカニカルジョイントの豊富なラインナップにBKジョイントIIを加え、建築設備配管向けを中心に拡販を図っていく。

 「BKジョイントII」の問い合わせはベンカン営業部(電話03―3777―1531)、または最寄りの営業所まで。

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