余った食材を貧困対策に 平塚で「フードドライブ」始まる

 家庭や企業で賞味期限が迫ったり余ったりした食材を持ち寄り、必要とする人たちに提供する「フードドライブ」という定期的な取り組みがこの春、平塚市内で始まった。貧困対策と、食べられるのに廃棄される食品ロスの削減を兼ねた試みで、第2回は9日午前10時に市役所本館1階多目的ホールで実施される。

 困っている人たちへ食品を届ける活動などをしている市民団体「フードバンクひらつか」(大関めぐみ代表)が主催し、市も協力している。

 昨年7月に設立した同団体によると、これまで支援を求めてきた市内のひとり親世帯や生活困窮世帯、児童福祉施設などは延べ143カ所に上る。大関代表は「需要はもっと多いと実感している。ライフラインが止まり、乾麺をゆでられないといった切実な方も多い」と話す。

 こうした実態を目の当たりにし、同団体は市民らが食品を持ち寄れる機会をつくろうと、今回の試みを発案。定期的な取り組みとして4月に第1回を開催、乾麺など110点を超える食品が集まったという。

 寄付を募る食品は、缶詰や調味料類、レトルト食品、企業の災害備蓄食材など、未開封で賞味期限が2カ月以上残り、常温保存ができるものに限る(白米は除く)。6月以降も月1回のペースで開く。

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