原爆症訴訟の原告 訴え取り下げ方針 長崎地裁弁論で

 長崎原爆で被爆した長崎市の男性(79)が国に原爆症認定申請の却下処分取り消しを求めた訴訟の弁論が7日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)であり、原告側が訴えを取り下げる方針を示した。
 訴状によると、男性は爆心地から約1・5キロの同市銭座町1丁目(当時)の自宅庭で被爆。2015年10月、大腸に複数のポリープが見つかり手術で切除。一部が悪性と診断された。疾病名を「大腸がん」として同11月に原爆症認定を申請したが、翌16年3月に却下された。訴訟は、現在の医療の必要性(要医療性)が主な争点だった。
 男性の代理人弁護士によると、男性が訴えを取り下げる意向を告げたという。取り下げの理由については「諸般の事情」として具体的に明かさなかった。

© 株式会社長崎新聞社