インドとの鉄鉱石長期契約、期間5年に延長へ

 新日鉄住金、JFEスチールなど高炉メーカーがインドの国営鉄鉱石輸出商社MMTCと結ぶ鉄鉱石の長期売買契約で、2018年度からの新契約で期間が5年(従来は3年)に延長される見通しとなった。日本がインドから輸入する鉄鉱石は全輸入量の1~2%程度にとどまるが、オーストラリアなど主要産出国への依存度が高まる中で、インドはソース分散につながる重要な輸入元。高炉メーカー各社は期間延長を歓迎している。

 前契約は15~18年度の3年間。契約更改にあたり、インド政府はこのほど、契約期間を19~23年度の5年間とする新契約について閣議決定した。今後、MMTCが日本の高炉各社と個別に交渉し、正式発効する。

 契約対象の鉄鉱石は、インド東部オリッサ州にある国営鉄鉱山「NMDC」で採れる高品位鉱。新契約の数量は日本全体で年間300万~430万トンと前契約と同じ。高炉各社の契約数量は明らかになっていない。

 MMTCとの契約期間は従来5年だったが、2010年度以降の契約更改から3年に短縮されていた。日本側は長期安定調達を確保する観点から、5年への延長を求めていた。

 日本の鉄鉱石輸入量は年間約1億3千万トン。このうち8割以上をオーストラリア、ブラジルの2大産出国に依存している。ソース多様化の観点から、インドや南アフリカ、カナダなど第3国への期待は大きい。

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