LIXIL、サッシの収益基盤強化 20年度、生産性2倍目指す

 LIXIL(本社・東京都千代田区、社長・瀬戸欣也氏)はサッシ事業の収益基盤強化へ生産効率と製品競争力を大幅に高める。現在はアルミ地金価格や新築着工戸数など外部要因に影響されやすい事業構造が課題。部品の種類削減や設計・部材の共通化で製品をより造りやすくするなどして、2020年度末までに生産性を2倍に向上。併せて18年度内をめどに高級価格帯で、19年度内には主力市場で新製品を投入する。また海外企業との事業提携も検討。7日都内で開いた決算会見で瀬戸社長が説明した。

 瀬戸社長はサッシ事業の現状について「原料や新築着工で収益が大きく変動することに危機感を持っている」と言及した。守りの施策に位置付ける生産性改善では品種増で設備が専用ライン化して稼働率が下がっている点を改善点として明示。製品点数削減や造りやすい設計への変更で、一つのラインでより幅広い製品を製造できる体制をつくる考えを示した。また今後は加工工場の集約を検討していく方針。

 攻めの施策である製品競争力の強化では新製品開発サイクルの短縮を目指す。瀬戸社長は事業再編の中で営業と技術開発で組織が分かれていたことを課題として強調。4月から各事業部が開発・生産・販売を一貫して担う体制に移行し、市場環境や顧客ニーズに対応した新商品を迅速に投入できる体制に刷新したことを説明した。さらに今期・来期に新製品を相次ぎ投入するとともに「日本以外の先進的な商品にも門戸を広げるため海外のメーカーとの連携も始めたい」と話した。

© 株式会社鉄鋼新聞社