阿武隈急行 全線開業30周年 大感謝まつり 開催

阿武隈急行は元国鉄丸森線 1988年に阿武隈急行によって全線が開通した歴史

第2次世界大戦後、まだ蒸気機関車が主力だった時代。東北本線の福島駅から宮城県にかけての急勾配の区間がネックとなり仙台以北に向かう優等列車は勾配の緩い常磐線経由で運転されていました。また戦後復興もあって東北本線自体の輸送力増強が急務でした。

そこで計画されたのが福島駅~槻木駅を勾配の緩いバイパス線で結ぶ国鉄丸森線でした。1964年(昭和39年)に着工されました。東海道新幹線が走り始めた年に着工です。

1968年(昭和43年)に槻木~丸森間が完成し丸森線として暫定的に開業。しかし、皮肉なことに、東北本線には馬力のある新型列車が投入され急勾配がもはやボトルネックでは無くなっていたのです。

むしろ東北本線の輸送力増強は、複線化と電化という方針に転換され国鉄丸森線は宙に浮いた存在となりました。しかも丸森線は優等列車を速く走らせることに主眼が置かれたためにCD線(主要幹線)規格で敷設され輸送力優先の線形を採用、人口の多い部分を通らず、町から離れた不便な場所に駅が設けられました。その上、暫定開業した部分では宮城方面にしか行けなかったので利用者は少なく赤字が膨らみました。営業係数(100円の営業収入を上げるためにかかるコストが)2404円という不名誉な数字が丸森線には残っています。これは、当時の国鉄赤字路線でも最悪の部類でした。1980年(昭和55年)に国鉄再建法が施行されると第1次特定地方交通線に承認されあっさり廃止されることになります。暫定開業からわずか12年でした。

一方、工事は中断されていましたが丸森~福島間も鉄橋とトンネルは完成していてレールを敷設して駅を作るダケの状態になっていたのです。そこで福島・宮城両県は阿武隈川の観光開発と福島~仙台間の都市間輸送、近郊開発などが期待できるとして第三セクターを設立し廃止される国鉄丸森線を引き継ぎ、1986年(昭和61年)に暫定開業部分を非電化のまま開業しました。さらに1988年(昭和63年)には未通部分を完成させた上に電化して阿武隈急行線の現在の形になったのです。

7月1日(日) 梁川駅前で大感謝まつり 開催 車両基地公開イベントは25年ぶり!

沿線の伝統芸能、ゆるキャラや新車両の発表、さらに車両基地では25年ぶりとなる公開イベントが実施されます。ここでしか見ることのできないれ貴重な物販や体験メニューなど満載です。

7月1日(日)9:50〜15:00。入場は無料。梁川車両基地との間には梁川駅からシャトル列車が運行されます。

問い合わせ:
阿武隈急行全線開業記念事業実行委員会
024-577-7132

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