JFEスチール業績連動賞与、19年度から「連結」指標に変更 グループ連携強化前面に

 JFEスチールは、業績連動型賞与制度で、賞与算定の基準となる経営指標を現行の「単独経常利益」から「連結経常利益」に変更する。2019年度賞与(18年度業績を反映)から実施する方針で、10日、労働組合に申し入れた。JFEグループは18年度から3カ年の中期経営計画でグループ内連携の強化を打ち出した。こうした戦略を労使間で共有する狙い。連結の経営指標は四半期ごとに開示しており、業績に対する社員関心を高めることにもつながるとみている。

 JFEスチールは03年の発足時から業績連動賞与を導入し、賞与額算定の基準指標として単独経常利益を採用してきた。経常損益が収支トントンの場合を120万円とし、利益が100億円増えるごとに賞与が3万円上がる仕組み。

 新しい制度では、基準指標を連結経常益に代えるとともに、100億円単位の増額分を2万4千円とする。ただ、過去10年の実績では、「連結」を指標にした方が賞与額は高くなったという。18年度賞与は「単独」指標で165万円だが、「連結」の場合は168万円になる計算。経常損益が赤字となった場合や経営環境に大きな変化が生じた場合は、労使による協議で決める方式を維持する。

© 株式会社鉄鋼新聞社