日鉄鉱業が新中期計画、20年度営業益100億円目指す

 日鉄鉱業は10日、18年度から3カ年の中期経営計画を発表した。鳥形山鉱業所の第3立坑建設工事の本格化や八戸鉱山の新規鉱区開発、チリのアルケロス銅鉱山開発など今後の大型投資に向けて企業体質の強化と企業収益力の最大化を図り、最終20年度に営業利益100億円以上の達成を目指す。設備投資は3年間で359億円を計画している。

 長期ビジョンを「資源の開発・安定供給を通じて社会に貢献するとともに、『総合資源会社』としてグループの総合力を発揮し、持続的成長を実現する」とし、今中計期間は将来の大型投資を見据えて強靭な経営基盤を構築する準備期間と位置付けた。資源事業のうち、鉱石部門では石灰石など鉱物資源の拡販と価値向上に取り組むとともに、経済的・合理的な採掘・生産方法の追求などに取り組む。また、同社では初となる海外石灰石鉱山の開発も視野に、新規鉱源の確保に向けた取り組みを国内外で推進する。

 金属部門では、製錬事業の収益力強化やチリ・アタカマ銅鉱山の安定操業及び追加鉱量の獲得に引き続き取り組む。また、20年度以降の開発に向けてアルケロス銅鉱山の調査を推進するほか、錫など銅以外の非鉄金属の事業化検討を進める。

 機械・環境事業では、環境部門で海外新拠点開拓によるアジア市場の販路拡大、機械部門で海外調達量増加によるコストダウン、IoT活用による新サービスの提供などに取り組む考え。

 20年度のセグメント別営業利益目標は、鉱石部門が77億円(17年度比5・5%増)、金属部門が15億円(同比87・5%増)、機械・環境事業が10億円(同比25%増)、不動産事業が15億円(同比7・1%増)、再生可能エネルギー事業が4億円(同比33・3%増)。また、配当目標として20年度までに年間1株当たり100円以上を掲げた。

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