ラニーニャ現象は春の間に終息へ 気象庁

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値。出典:気象庁HP、吹き出しは加筆

 気象庁は11日、エルニーニョ監視速報を発表した。4月の観測によると、ラニーニャ現象が続いているとみられるが、今後、春の間にラニーニャ現象が終息する可能性が高い。夏は、平常の状態である可能性が高くなっていて、前回の見通しを継続している。

 4月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は-0.5℃で、基準値より低い値だった。ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の2月の値は-0.9℃だった。
 
 エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が今後次第に基準値に近づき、夏から秋にかけて概ね基準値に近い値で推移すると予測している。また、太平洋赤道域の海洋表層では、西部から中部にかけての暖水の東進が見られ、この暖水が今後、東部に達すれば海面水温の平年より低い傾向を解消に向かわせると考えられる。以上のことから今後、春の間にラニーニャ現象が終息する可能性が高く、夏は平常の状態で経過する可能性が高くなっている。
(1998年以降に発生したラニーニャ現象は全て春に終息している。2010年夏~2011年春にかけてラニーニャ現象が発生している。)

エルニーニョ現象とは

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。

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