対馬空港発着のジェット機老朽化 来年度までに退役 後継にプロペラ機案(全日空)

 全日空(ANA、東京)が福岡空港-対馬空港間で運航しているジェット機「ボーイング737-500型」(座席数126)が機体老朽化のため2019年度までに退役することが11日、分かった。同社は後継としてプロペラ機「ボンバルディアDHC8-Q400型」(同74)を対馬市内の関係者に提案しており、同社広報は取材に「決定したわけではないが、自治体や国との折衝を続けているところだ」と説明した。このまま代替が進むと、対馬空港発着は全便プロペラ機となる。
 全日空などによると、737-500型はボーイング社製で、1989年に初飛行。全日空では95年から導入し、現在14機を保有。福岡-石垣や大阪-宮崎など22路線で使っているが、99年に製造終了したことから19年度までに順次退役させる計画を立てている。貨物の積載容量は約23立方メートルで、巡航速度は時速810キロ。
 一方、DHC8-Q400型はボンバルディア社製で、全日空は2003年から導入し、24機を保有。福岡-宮崎や大阪-大分など34路線で使われている。貨物の積載容量は約10立方メートルで、巡航速度は時速650キロ。
 対馬空港では現在、ANAが福岡線で737-500型とDHC8-Q400型を1日各2便、オリエンタルエアブリッジ(ORC、大村市)が長崎線でプロペラ機「DHC8-Q200型」を1日6便運航。
 対馬市商工会の齋藤利光会長は「搭乗客、搭載貨物量ともに少なくなると、対馬の経済に打撃。ANAは737-500型と同等のジェット機を持っているので何とかジェット航路を存続させてほしい」としている。

全日空のジェット機「737―500」
全日空のプロペラ機「DHC8-Q400」

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