石木ダム中止 長崎県に申し入れ 「千人の集い」実行委

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業について考えるシンポジウム「ほたるの里から長崎をかえよう!!千人の集い」の実行委が11日、県庁を訪れ、工事中止を県に申し入れた。反対地権者の炭谷猛実行委員長は、千人余りの来場者の多くが建設反対の意思表示をしたとして「(ダム事業の)終わりの始まりにしたい」と訴えた。
 同実行委は6日、同町で前滋賀県知事の嘉田由紀子さんや歌手の加藤登紀子さんらが意見を交わすシンポジウムを開き、千人余りが来場した。
 申し入れ書は中村法道知事宛て。石木ダムについて「必要性が破綻」「負の歴史を繰り返さないで」など嘉田さんらの発言を紹介。県が工事を進めれば、住民へのさらなる人権侵害が起こると批判している。
 炭谷実行委員長から申し入れ書を受け取った浦瀬俊郎河川課長は、地権者の8割が工事に同意しているなどとして「現場の安全第一に工事を進める。意見は知事に伝える」と話した。
 申し入れ後、炭谷実行委員長は報道陣に「集会を通じて石木ダムに反対している人が大勢いることに気付かされた。知事は勇気を持って今までと違う方向に進んでほしい」と語った。

「終わりの始まりにしたい」などと訴える炭谷実行委員長(右)=県庁

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