【MLB】逆輸入で躍進、元Gマイコラスが脳裏に刻む日本の通勤電車「もみくちゃに…」

カージナルスのマイルズ・マイコラス【写真:Getty Images】

米球界復帰で無傷5勝、マイコラスが振り返る日本での日々

 3年間の巨人での経験を引っさげ、今季からメジャー復帰を果たしたカージナルスのマイルズ・マイコラス投手。10日(日本時間11日)の敵地パドレス戦でも快投し、ここまで7試合に先発して無傷の5勝、防御率2.51、WHIP(1イニングあたりの与四球数+被安打数)0.96と上々の成績を残している。カージナルスのマイク・マシーニー監督も大きな信頼を寄せる右腕は、MLB公式「MLBネットワーク」の人気コーナー「インテンショナル・トーク」に出演。元レッドソックスのケビン・ミラー氏らに日本での貴重な体験を明かした。

 日本で初めてプレーすることになった2015年。新外国人選手を空港で待ち受けるメディアに囲まれた時の様子を、米で大人気のコメディ映画「ミスター・ベースボール」になぞらえ、「飛行機を降りると、空港に30人くらいの記者たちが待っていたんだ。『ミスター・ベースボール』みたいな扱いでね。すぐさま30~40程の質問が投げかけられたんだ」と語った。しかし、本当の意味で歓迎されたと感じたのは、伝統の巨人-阪神戦で敵地・甲子園で好投した時だったという。

「(甲子園は)とても伝統的な球場で、観客が5万人くらいは確実にいたと思う。そして、そこで素晴らしい登板ができたんだ。その後で東京へ戻ると、ファンたちはとても熱狂していて、長年のライバル相手に見せた好投をとても歓迎してくれたんだ。その時、ここがホームだと感じることができたんだ」

「どんどん押しつぶされる」も…「日本の公共交通機関はとても清潔なんだ」

 そして話題は、東京で激混みする通勤電車での体験に移った。朝夕のラッシュ時になると、駅係員が乗客を車内の中に押し込む満員電車の様子は、海外の人々にはなかなか理解しがたく、日本ならではの光景と考えられている。マイコラスも東京滞在中に、自身のツイッターに満員電車の写真を投稿したことがある。マイコラスは電車通勤をしていた当時を振り返り、「早い時間に球場入りして、試合に向けて調整しようという最中に、突然電車内でもみくちゃにされて……」と苦笑い。「ぎゅうぎゅう詰めの中に身を置くのは変な感覚だよ。先頭で電車に乗り込んだ時は特にね。どんどん押しつぶされるんだから」と自身の体験を報告した。

 ニューヨークやシカゴなど公共交通機関が発達している大都市では、ラッシュ時に混雑する電車の風景も見掛けるが、マイコラスの目には大きな違いが1つくっきり焼き付けられているようだ。

「日本の公共交通機関はとても清潔なんだ。素晴らしい状態に保たれているんだよ。誰も電車内で食事しないからね」

 日本での経験を糧に、逆輸入投手として結果を残しているマイコラス。東京で過ごした3年の日々は、選手としてはもちろん、いろいろな側面で右腕の人生に深みを与えたようだ。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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