住商系CC「KSサミットスチール」、神鋼グループが出資引き揚げ 今秋めどに千葉工場閉鎖

 住友商事系有力コイルセンター(CC)のKSサミットスチール(本社・東京都江東区、社長・隅田進氏)は11日、同社に出資していた神戸製鋼所および神鋼商事の保有株式(計37%)を全量買い取り、両社の合意の下、譲り受けを完了したと発表した。設立以来の株主だった神戸製鋼グループがKSサミットスチールへの出資を引き揚げた。併せて住友商事の国内中核CCであるサミットスチール(社長・若島浩氏)からの出資(10%)も受け入れた。

 今回の株主変更は、住友商事グループとしての連携を、これまで以上に強化・深化していくのが目的。

 この一環で、KSサミットスチールは今秋をめどに千葉工場(千葉県市川市二俣新町)の閉鎖を決めた。千葉工場で手掛ける自販向け加工については、同じ市川市内で近接するサミットスチールの東京工場をはじめKSサミットスチールの群馬工場(邑楽郡千代田町)に移管するほか、外部委託も検討する。

 KSサミットスチールは、2006年に神戸製鋼所系の神鋼鋼板加工が厚板溶断部門と薄板加工(CC事業)部門を切り離し、薄板加工部門を分割・別組織化。ここに当時同じく神鋼系CCだった小室鋼業を統合して設立した。

 設立当初から住友商事が60%以上を出資し、事業経営の主体を担ってきた。

 KSサミットスチールの新たな出資比率は住友商事90%、サミットスチール10%(資本金2億5375万円は変わらず)。なお、千葉工場閉鎖後も、群馬工場についてはKSサミットスチールが引き続き事業運営する。

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