キングス底力全開 Bリーグ、チャンピオンシップ準々決勝

 プロバスケットボールBリーグの2017―18シーズンの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)は13日、準々決勝を行い、西地区1位の琉球ゴールデンキングスは沖縄市体育館で中地区2位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦し、第2戦を66―62、第3戦を17―12で競り勝ち、準決勝進出を決めた。準決勝は19、20の両日、千葉ジェッツと千葉県の船橋アリーナで戦う。リーグ最高勝率で中地区を制した三河が東地区4位の栃木を第2戦で80―75と破り、2連勝で4強入りした。東地区1位の千葉は同3位の川崎に第2戦で61―71と屈して1勝1敗となったが、第3戦を22―15で制した。東地区2位のアルバルク東京は西地区2位の京都を第2戦で78―69と退け、2連勝した。

◆大歓声浴び、逆境しのぐ

 第2戦で勝利した勢いそのままに臨んだ第3戦。キングスは劣勢で迎えた後半、割れんばかりの歓声が響く中、石崎巧が冷静に3点弾を沈めて逆転する。その直後、2連続のセットプレーでシュートを任された古川孝敏が「自分が決める」と、体に染みついた素早いモーションで4点を奪い、最後は全員で守り切り、準決勝の切符をつかみ取った。この日が誕生日だった佐々宜央HCが「あれで(古川が)外しても後悔はなかった」と語る信頼に、古川がしっかり応えた。

 12日の敗戦で崖っぷちにたたされていたキングスは、第2戦からフルスロットルで飛ばした。終始大歓声が続く中、個々の選手が気迫をみなぎらせ素早く、力強く守る。ゴール下はヒルトン・アームストロングやハッサン・マーティンが壁となり、アイラ・ブラウンがぶつかっていく。第2戦の46のリバウンドは相手を9本上回った。

 12日は劣勢の場面で気持ちが乱れたが、追う展開が続く第4Qに岸本隆一のアシストでアームストロングが2連続ダンクを決めて迫ると、岸本の3点弾で逆転。直後に古川とアームストロングがブロックショットで名古屋の攻撃を止めた。逆境で見せた全員のしぶとさが、続く第3戦への流れをつくり出していった。

 「チームの軸としてやることに責任を持っている」と語る古川は「苦しい展開だからこそ、やってやるという気持ちになり、結果につながった」と笑顔を見せた。主将の岸本は「昨季は越えられなかった壁を一丸となって越えられた。勝てたのはホームのおかげ。ファンの期待に応えるプレーで次もしっかり戦いたい」と強敵の千葉戦へ気を引き締めた。 (嘉陽拓也)

▽準々決勝第2戦

キングス(西地区1位)1勝1敗

66―62(20―17,9―14,17―19,20―12)

名古屋D(中地区2位)1勝1敗

▽準々決勝第3戦

キングス 2勝1敗

17―12(2―5,15―7)

名古屋D 1勝2敗

 【評】名古屋との第2戦目は守備の粘りを発揮し、失点されても崩れることなく、ゴール下で激しくリバウンドを奪い続けた。第4Qに岸本の3点弾で逆転し逃げ切った。

 第3戦の前半はリングに嫌われたが、後半の勝負どころで古川孝敏のミドルシュート2連発と石崎巧の3点弾が決まってリードすると、最後まで力を振り絞った守備を見せ、名古屋を振り切った。

◆今年の琉球を表す試合

 佐々宜央HC(キングス)の話 今日の展開は、気持ちが安定せず危機的状況をばか力で耐えてきた今年の琉球を表す準々決勝となった。内容もまだまだ。それでも、古川孝敏や石崎巧らベテラン勢が活躍した。この「自分でいく」という気持ちを若手選手も見習ってほしい。来週の試合はご褒美。千葉戦までの短い7日間でどれだけやれるか詰めていきたい。

◆戦えて本当にうれしい

 梶山信吾HC(名古屋)の話 キングスの素晴らしいバスケで、会場の声援を背に攻守で気持ちが入っており、こういうチームと戦えて本当にうれしい。負けたのは僕の責任。キングスの守備は質が違う。入るはずのシュートが入らず、どこからでも取りに来る外国人選手に守られ、リバウンドも取れなかった。1つ勝ってここまで来ることができた。最後まであきらめなかった選手に感謝したい。

◆石崎 冷静に持ち味/逆転のスリー射抜く

 古巣の名古屋Dを相手にしても、常に冷静沈着な石崎巧が気負うことなく、持ち味を発揮した。攻守が目まぐるしく変わる展開、好判断と好プレーがキングスを勝利に導いた。

 勝敗を決める第3戦、キングスが後半追い上げ、6―7と競り合う中、素早いピックに相手選手が遅れると、石崎は静かなモーションでゴールを狙った。3点弾がリングを射抜き逆転。声援は一気に高まった。チームを勢い付けた一発となり、続く古川孝敏の連続4得点へとつながった。

 勝ち越し弾に会場が沸いたが「名古屋Dのバーレルに有利に攻める手もないので、使ってない戦術から相手の動きを見て、打っちゃいました」と、石崎らしい淡々とした返答で勝負どころを振り返った。

 名古屋Dに逆転勝利の内容だが「外の選手に攻めさせ、次へどう組み立てるか、それをしただけ」と分析する。準決勝に向けては「12日はらしくないプレーが出たが、CSではそれが出るのが問題。次は、やってきたことをぶれずにやりたい」と一層の集中力で臨む。

 (嘉陽拓也)

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