F1スペインGP決勝トップ10ドライバーコメント

 2018年F1第5戦スペインGP決勝でトップ10に入ったドライバーたちが日曜日を振り返った。

■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツルイス・ハミルトン 決勝=1位
 ものすごくうれしい。今日のレースがどういう展開になるのか、全く予想できずに臨んだ。昨日の予選はうまくやれたけど、今日は気温が変化し、雲が広がってきていて、雨が降るのかどうかも分からずにいた。でもいいスタートを決めて、しばらく走ったら、他のマシンには僕についてくるだけの速さがないのだと分かった。1周1秒ずつぐらい引き離していけたから、「よし、この調子だ」と思ったよ。そうして最後まで走り続けたんだ。

 ここで今シーズン初めて、1-2フィニッシュを決めることができたのもうれしい。皆が懸命に取り組み、最高の戦略を立て、最高のピットストップをやってのけたんだ。こういう形で勝ちたいと思っていた。だからラインを越える時、思いどおりにいったことがただただうれしかった。

 タイヤとマシンの動きについて理解するため、チームは懸命に努力してきた。それが今週末、実を結んだのだと思う。

 次のモナコにはポジティブな気持ちで臨むことができる。ただ、やるべきことはまだ山ほどあることも分かっている。これまでと変わらず、努力し続けることが大事だと思う。

 今日はマシンと僕の間に相乗効果が生まれていると感じた。今年初めての感覚だ。誰も僕についてくることができなかったから、本当に驚いた。(以前の調子に)ほぼ戻っていたと思う。少なくとも(今年では)一番それに近い状態だった。すごく快適に走ることができたんだ。

■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツバルテリ・ボッタス 決勝=2位
 チームにとって完璧なリザルトだ。僕はファーストスティントの後、セバスチャン(・ベッテル)に詰まって、難しい状況に陥っていた。僕らのマシンは強力で、速さがあることは分かっていたし、今日は僕らの方がペースがよかった。それでもこのコースではオーバーテイクが本当に難しいんだ。

 セバスチャンがバーチャル・セーフティカーの際にピットインした時、僕らはステイアウトすると決めた。それは正しい判断だった。僕らはレース前には、1回ストップで走り切るのはほぼ不可能だと考えていた。でも実際に走ってみると、予想よりもタイヤが長持ちしていたので、戦略を変更したんだ。

 もちろん、優勝したかったよ。でもチームは今日素晴らしい仕事をしてくれた。彼らの強い決意が、今日の1-2達成につながったんだ。チーム全体でたくさんのポイントを取ることができてよかった。

 次のモナコでは僕らは苦しむかもしれない。レッドブルはかなり強いだろうし、フェラーリは去年ポールを取っている。だから自分たちにはもっと向上できるだけの能力があると信じて、これからも努力し続けよう。

■アストンマーチン・レッドブル・レーシングマックス・フェルスタッペン 決勝=3位
 このコースはいつもいい感じで走れるんだ。シーズン序盤戦では思ったとおりにならないことが多かったけど、今日がいい転換点になりそうだ。序盤のつまずきから立ち直り、またポディウムに上がることができて、本当にうれしいよ。

 ソフトタイヤでもミディアムタイヤでも、クルマの動きはレースを通じてずっと良かった。バランスに不満はなく、ペースも良かったから安心してプッシュできたし、いい結果も残せた。最初のうちはキミ(・ライコネン)の後方で少しタイムを失っていて、彼をオーバーテイクするのも難しそうだった。だから、彼がトラブルに見舞われたのは、僕らにとってはラッキーだったよ。おかげでひとつ順位が上がり、ペースアップすることもできたからね。その後は少し落ち着いて、自分のレースをすることに集中できた。

 セバスチャン(・ベッテル)が迫ってきたのは見えていた。でも、僕の方が相対的にフレッシュなタイヤを履いていて、彼がオーバーテイクをするのは難しいことも分かっていたから、状況をうまくコントロールできた。フロントウイングにダメージを負いながら、幸運にもパフォーマンスに大きな影響はなかった。パーツが外れてしまったけど、結果的には少しオーバーステア気味になっただけで、そのままペースを維持して3位を守ることができたんだ。

 ここでは僕らは、低速コーナーばかりの最終セクターで速かった。そう考えると、モナコでは好成績を期待できそうだ。セットアップに努力を集中し、いいバランスで走れるようにして、ぜひともチャンスのある位置にいたいと思っている。

■スクーデリア・フェラーリセバスチャン・ベッテル 決勝=4位
 今日はタイヤがライバルたちほど長くもたなかった。だから彼らと同じ戦略(1回ストップ)を採ることができなかったんだ。

 2回目のピットストップをしたことで、ポジションをふたつ落とした。さらにピットで少し余計に時間がかかった。でも今日は(1回ストップで)最後まで走り続けるという選択肢はなかった。マシンの最適なバランスをなかなか見つけ出せず、フロントタイヤに苦労していたからだ。

 今週末の(タイヤへの)変更が僕らには悪い方に働いたのかもしれない。ライバルたちよりもマイナスの影響が大きかったのかもしれないと思う。でもモナコで“通常の”タイヤに戻るからよかったよ。今回はライバルたちより苦戦したからね。

 今日は本来のペースがなかった。メルセデスの方が速くて、僕らにはあまりチャンスがなかった。ベストを尽くしたけれど、不足している部分があったので、そこを改善していく必要がある。

 週末を通して新しいタイヤでは正しいバランスを見つけるのにてこずった。だけど次のレースには楽観的な気持ちで臨むことができると思う。

(F1.comのインタビューで語り)タイヤがもたなかったから、2回ストップにせざるを得なかった。正しい判断だと思っている。

 僕らの場合、タイヤがあっという間にだめになっていたので、交換せずにあと23周走ることなんてできなかった。新しいタイヤに交換したのに、終盤はアタックできなかったほどなんだ。

■アストンマーチン・レッドブル・レーシングダニエル・リカルド 決勝=5位
 間違いなく言えるのは、不思議なレースだったということだ。最初のうちはペースも良くて、キミ(・ライコネン)はマックス(・フェルスタッペン)や僕よりも少し遅そうだった。僕自身は、前の2人より自分の方が速いと思っていたしね。

 本当にいいスタートが切れた。レッドブル勢にも並びかけていたほどだけど、向こうの方がずっと速いのは分かっていたから、あまり彼らとは戦いたくなかった。僕の仕事はとにかく7位を守ることにあり、彼らを先に行かせた後は落ち着いて走れた。

 順位はキープできたし、1周目のトラブルにも巻き込まれずにすんだので、僕としては満足だよ。とても力強いパフォーマンスだった。

 バーレーンやここで獲得したくらいのポイントが、僕らに本当にふさわしいものだと思う。実際、すべてのレースでポイントを獲れるはずだし、それが可能なクルマも手にしている。ここまでコンスタントにポイントを稼げなかったのは、ちょっとしたミスや不運があったからだ。またポイントを追加できて良かったよ。

 コンストラクターズ選手権でも、実力に見合った順位に戻れてうれしい。僕らに必要なのは、このレベルをずっと維持して、着実にポイントを獲得し続けることだけだ。

■ルノー・スポール・フォーミュラワン・チームカルロス・サインツJr. 決勝=7位
 僕とチームにとって、とてもポジティブな結果だ。僕らのクルマにはあまり向いていないこのコースで、この週末に達成したことを誇りに思っていいと思う。金曜の状況を好転させて、レースでは好スタートを決め、僕らが期待できる最上位の7位でフィニッシュしたのだから。

 今年もホームレースで好成績をあげることができて、気分は最高だし、ファンのみんなにもレースを楽しんでもらえたんじゃないかな。応援してくれた人たちに、心から感謝したい。  
 
 このポイントはチームにとって重要なもので、中団グループのタイトな戦いの中で順位を上げられてよかった。まだ取り組むべき領域はいくつもあるが、僕らは順調に進歩している。この調子でプッシュし続けたいね!  

■マクラーレンF1チームフェルナンド・アロンソ 決勝8位
 昨日の予選Q2で使ったスーパーソフトタイヤでスタートしなければならなかったから、僕らのプランは、最初の2周ぐらいのうちにポジションを上げて、早々にタイヤ交換をしてしまうというものだった。ところが1周目のターン2で(ロマン・グロージャンがスピンしたことによって)インシデントが起きたために、(接触を避けるために)いくつもポジションを落としてしまった。その時点では、今日はもう入賞は無理だと思った。

 でもその後、正しい判断をし、いいレースをしたことで、4ポイントをつかむことができた。ミディアムタイヤへの1回交換で走り切るという戦略がうまくいった。

 レース中、ファンの皆が盛り上がってくれていたけど、走っている間、僕はグランドスタンドよりも天候を気にかけていた。いくつかのコーナーで真っ黒な雲が広がっていて、雨が降ればチャンスになるかもしれないと思ったからだ。でも残念ながら結局降らなかったね。

 今日はオーバーテイクをするのが本当に難しかった。(ザウバーのシャルル・)ルクレールの後ろでずっと走り続けなければならなかった。僕らはまだ直線スピードが十分ではないから、オーバーテイクが難しい。この点を改善していかなければならない。自分たちのマシンの弱点は理解しているから、早いうちに解決法を見つけ出したい。

 ここでは大きく進歩することができたと思う。それでもシーズン終盤まで厳しい戦いが続くだろうことは分かっている。毎戦、ポイントを積み重ねていくことが重要だ。ここまでの5戦でそれができているのはいいことだよ。

(Sky F1に対して語り)今回のアップグレードによって、中団勢のなかでのポジションを上げることができると分かっていた。ルノーやハースに追いつくことができたと思う。  
 中国ではルノーより0.9秒遅かった。バクーでは0.8秒遅かった。でもここでは予選でも決勝でもペースはほぼ同じだった。
   
 ただ、トップ3チームは僕らと同じペースでマシン開発を続けているから、残念ながらギャップが縮まっていない。

■サハラ・フォース・インディアF1チームセルジオ・ペレス 決勝=9位

 厳しいレースだった。とはいえ、こういったコンディションで2点を獲得できたのは、それほどひどい結果ではないし、困難なレースを走りきったことへの悪くないご褒美だ。

 スタートは良かったものの、(ロマン・)グロージャンが起こしたアクシデントを避けるために大きくラインを外さなければならず、だいぶ順位を下げた。実際、あれのおかげで何台ものクルマに前に出られてしまい、僕にとっては厄介な展開になった。

 その後、VSC中にピットに入ったことをはじめとして、戦略的な判断も正しかったのだが、(マックス・)フェルスタッペンのクルマから外れたデブリを踏んで、少しダメージを負ってしまった。ひどい振動が出ていたから、完走できたのはラッキーだったよ。

 ともあれ、グリッド後方からスタートして、最後にポイントを持ち帰れたのは良かった。残念なのはエステバン(・オコン)のリタイアだ。今日は2台揃ってポイントを獲れそうだったからね。まだ改善すべき点は多いけれども、モナコでは今日よりずっと高い競争力を発揮できることを願っている。

■アルファロメオ・ザウバーF1チームシャルル・ルクレール 決勝=10位

 今回もポイント圏内でフィニッシュできて最高の気分だ。気象条件がトリッキーで、特にタイヤマネジメントに関してチャレンジングなドライブを強いられたという点で、とても面白いレースだった。

 シーズンの開幕以降、チームは大きな進歩を示し、全員がその方向に向かってハードワークを続けようという意欲を示している。とにかく気を緩めずに、努力を続けることが重要だ。
 次のグランプリは、僕のホームレースであるモナコだ。あのコースでの僕にとって初のF1レースが楽しみで、今からワクワクしているよ。

© 株式会社三栄