バリアフリー化へ動き 天王町駅と保土ヶ谷駅の周辺 横浜市保土ケ谷区

保土ヶ谷駅東口のバスロータリー

 横浜市が進めるバリアフリー基本構想に基づき、新たに相鉄線天王町駅とJR線保土ヶ谷駅周辺の整備へ向けた検討が進められている。昨年9月には事業者、行政機関などで構成される検討協議会保土ケ谷区部会が発足。今年度末までに基本構想を策定する方針で、2023年度までに一定の成果を目指す計画だ。

 06年にバリアフリー法が施行されたことを受け、市は高齢者や障害者、妊婦、けが人などの移動や施設利用の利便性向上を目指し、バリアフリー施策を推進している。

 今回、新たに整備が検討されているのは高齢者や障害者、子育て世代などが利用する施設が集積している天王町駅周辺と、区内で最も多い乗降客数を誇り、以前から駅東口から国道1号線を挟んだバスターミナルへのアクセスのしづらさが地域課題となっている保土ヶ谷駅周辺の2カ所。

星川駅周辺は高架化目途で見直し

 また、10年度末までに基本構想が策定され、すでに歩行空間の確保や段差の改善、視覚障害者誘導ブロックの敷設など改善に取り組んでいる星川駅周辺については、線路の高架化に目途がついたことから、段階的かつ継続的な計画の発展を図ることを目的に見直しが図られる。

 市道路局によると星川駅周辺のバリアフリー化は基本構想策定から7年が経過したが、進捗率は6割程度に留まっている。未着手事業の多くが高架化事業に関係するため、着手できない状況だった。

今年度中に基本構想策定

 昨秋には学識経験者や行政、高齢者・障害者等を含む市民、事業者など35団体から成る「横浜市バリアフリー検討協議会保土ケ谷区部会」を設置。部会メンバーらが3エリアで危険個所などを見て回ったほか、市民の意見を募集するなどして、各エリアの課題を抽出する作業を進めた。

 今後は浮かび上がってきた課題を解消する対策案を鉄道事業者や道路管理者ら関係機関に示す。事業者らからの返答を受け、今年中に基本構想原案をまとめ、来年2月には基本構想を策定。来年度以降、5年を目途に一定の成果を目指すことになる。

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