新日鉄住金エンジ、印JSWドルビー製鉄所向け移動式脱硫設備を受注

 新日鉄住金エンジニアリング(社長・藤原真一氏)は14日、インド民営製鉄最大手のJSWスチールから移動式KR脱硫設備を受注したと発表した。ドルビー製鉄所拡張計画の一環によるもので受注額は明らかにしていない。溶銑処理プロセスとして高級鋼の安定・効率生産に必須の設備で、同国で拡大する高級鋼需要に対応する。JSWスチール向けの同設備受注は3基目。

 設備は耐火物製の回転翼(インペラー)を溶銑中に浸漬して回転させることで溶銑と脱硫剤を機械的に混合し、脱硫反応を促進する。インペラーを高速回転させることで効率的に脱硫反応を促進することができる。また、脱硫剤として高価なマグネシウムではなく安価な石灰を使用することが可能で、操業コストを約45%低減できる。新日鉄住金エンジが開発し国内15件、海外5件の納入実績を持つ。

 移動式設備は1基が複数のステーションで脱硫処理できるため、固定式設備の複数台保有に比べ設備費を削減でき、複数箇所で並行して脱硫・排滓作業が可能となるため操業時間も短縮できる。さらに移動式と固定式を使い分けることでレイアウトの自由度が増し、顧客の要求やスペースの制約に合わせた柔軟な対応が可能となるなどメリットは高い。

 今回こうした特長に加え、長年の経験・ノウハウに基づく独自の設計手法により振動などのトラブルが非常に少ないことが高く評価され、JSW・ビジャナガール製鉄所向けに続く受注となった。納入設備は1日の最大処理量45ヒート(1ヒート当たり365トン)。

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