金属行人(5月15日付)

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 鉄鋼業界でも「人手不足」は深刻な問題となっている。厳密に言うと「人はいるけど欲しい人材が取れない」ということだろうが…▼先日のテレビ番組で同じように人材不足にあえぐ某倉庫・運輸業社の話題を見た。その会社は毎年200人の新卒者採用を予定していたが、当初実際に採用できていたのは半数にも満たなかったという。給与面などで採用基準を引き上げても状況は変わらなかった▼社長の起死回生の手段は「会社に部活動を作る」ことだった。それも社会人になって継続することが難しいラグビー部を創部。すると以降は応募者が急増し、ほぼ毎年200人を採用。しかも、倉庫・運送業にとってはもってこいの屈強な体格の人材を確保できるようになった▼企業スポーツは昔に比べて衰退してきた感があるが、鉄鋼業界でもスポーツの縁で人材を確保する事例を聞いたことがある。もちろん経費が掛かる話ではあるが、企業にとっては人材確保、CSR、イメージ戦略などでのメリットがありそうだ▼優秀な人材を確保できても、それを生かすのは会社の務め。今年入社した新入社員もそろそろ疲れや個人差が出てくる頃。周囲のケアがこれまで以上に大事になってこよう。