昭和電線HD、車・FA向けなどで新事業 22年度目標、3分野で粗利11億円超

 昭和電線ホールディングスはEV・自動車、FA(ファクトリー・オートメーション)、医療の3分野で新規事業を積極創出する。2022年度までに年間11億円を超える粗利益を計上する収益の柱に育てる。高品位な銅荒引線や巻線を需要増が見込まれるEV関連市場で拡販。またIoT(モノのインターネット)普及で拡大するFA・産業機器向け市場では高性能通信ケーブルを伸ばす。医療向けは高機能線材での展開に期待。14日に中島文明社長が説明した。

 同社では今期からの5カ年中計で新事業創出を事業収益力強化、海外事業の新展開と並ぶ重点施策に位置付けている。需要増が見込まれ技術力を生かせる分野で事業領域を拡大。既存事業で安定的な収益を確保しつつ収益性に優れる新たな事業の柱を打ち立てる。今後はそのための設備投資も増額する計画。

 EV関連市場では中国天津で現地電線大手の富通集団と合弁する銅荒引線を駆動用モータ関連などで拡販する。併せて車載電子部品向けの巻線にも注力。子会社のユニマックで今後の需要動向を見定めつつ、老朽化対応と合わせた設備投資でニーズに対応する。FA関連では光ケーブルや光・メタルの複合ケーブル、高機能LANケーブルなどに注力。伝送速度や耐久力に優れる製品や細径化技術を生かし拡大を図る。

 また26年度までに3分野の新事業で粗利益を年間38億円創出できる体制を構築する。そのために9カ年累計で50億円以上を投資する計画。

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