ペナントの行く末を左右する? いまだ波に乗れ切れない実力派打者たち

ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ【写真:荒川祐史】

パ・リーグ覇者のソフトバンクは主軸の内川&デスパイネ&松田が低迷

 開幕して約1か月半が経過したプロ野球。パ・リーグでは開幕ダッシュに成功した西武が貯金13を作り出し、2位に4.5ゲーム差をつけて首位を走る。2年連続の日本一を狙うソフトバンクは貯金4。本来の強さは鳴りを潜め、苦しい戦いを強いられている感もある。昨季、優勝を争った楽天は借金12の最下位。なかなか浮上のキッカケをつかめない状況が続いている。

 セ・リーグは2年連続リーグ優勝中の広島が、今季も首位に立つ。22勝12敗の貯金10で、2位に3.5ゲーム差をつけている。V奪還を狙う巨人は19勝16敗1分の貯金3で広島の後を追う。阪神、DeNAは借金1、中日が同5、ヤクルトは同6となっており、セ・リーグはパ・リーグほど差が広がっておらず、ペナントレースの行方は混沌としている。

 パ・リーグではソフトバンクの柳田悠岐外野手や西武の秋山翔吾外野手、山川穂高内野手が、セ・リーグでは巨人の坂本勇人内野手や岡本和真内野手、中日のソイロ・アルモンテ外野手、ヤクルトの坂口智隆外野手、ウラディミール・バレンティン外野手らが、際立つ打撃成績を残し、チームを引っ張っている。

 その一方で、いまいち波に乗り切れない実力者たちもいる。2年連続の日本一を狙うソフトバンクは、球界を代表する打者たちが多く苦しんでいる。

○ソフトバンク
デスパイネ 34試合121打数22安打7本塁打17打点 打率.182
松田宣浩 34試合120打数24安打8本塁打21打点 打率.200
今宮健太 34試合123打数26安打1本塁打5打点 打率.211
内川聖一 34試合135打数31安打3本塁打13打点 打率.230

オリックスは軸になるべき助っ人2人が大不振

 昨季本塁打、打点の2冠王に輝いたデスパイネは7本塁打を放っているものの、打率はいまだ1割台。8本塁打の松田も、13日の日本ハム戦でようやく打率が2割に乗ったところ。昨季、打撃面で成長を見せた今宮もここまで打率.211、通算2000安打を達成した内川は記録への重圧もあったのだろう、打率.230と本来の成績とは程遠いものとなっている。

 他球団にも、故障などはなく試合には出場していながら、開幕から本来の姿を見せられていない実力者たちはいる。主な面々は以下のようになる。

○オリックス
マレーロ 37試合122打数24安打8本塁打19打点 打率.197
ロメロ 37試合132打数29安打7本塁打16打点 打率.220

○楽天
ペゲーロ 30試合115打数24安打9本塁打21打点 打率.209
銀次 33試合117打数27安打1本塁打14打点 打率.231

○日本ハム 
西川遥輝 36試合132打数29安打3本塁打14打点 打率.220

○ロッテ
鈴木大地 34試合113打数25安打1本塁打12打点 打率.221

○広島
安部友裕 35試合120打数26安打1本塁打11打点 打率.217

○DeNA
筒香嘉智 33試合119打数29安打6本塁打23打点 打率.243

○巨人
マギー 34試合121打数31安打4本塁打19打点 打率.256

○中日
京田陽太 36試合152打数32安打0本塁打9打点 打率.211
大島洋平 36試合150打数36安打1本塁打14打点 打率.240

 オリックスはチームの中心になるべきマレーロ、ロメロの助っ人砲2人が揃って不振。マレーロにいたっては打率1割台に沈み、ついにファーム降格となってしまった。昨季、楽天の快進撃を支えたペゲーロも今季は打率2割ちょっと。日本ハムの西川は打率.220。まずまずの出塁率.364を残しているものの、リードオフマンの数字としてはやや物足りないか。

 セ・リーグではそういった選手は、パ・リーグに比べると少ない。その中でDeNAの筒香、巨人のマギーと、チームの主砲だった選手が苦しんでいる。中日はアルモンテ、ビシエドと中軸の外国人が好調なのと対照的に、大島、京田の1、2番コンビの打撃の状態がおもわしくない。

 それぞれが実績と経験のある選手たちで、このままの成績で終わることはないだろう。ここから、どれだけ状態を取り戻し、結果を残せるか。各チームの浮沈を大きく左右することになる。

(Full-Count編集部)

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