韓国のW杯候補メンバーに珍しい選手!“兵役中“、しかも2部リーグに所属

2018年ワールドカップでドイツ、メキシコ、スウェーデンと同組になっている韓国代表。

14日(月)、シン・テヨン監督は本大会に向けた28人の候補メンバーを発表した。

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JリーグからはGKキム・ジンヒョンやDFチャン・ヒョンスなど5名を選出。

また、A代表経験がない20歳の神童MFイ・スンウや今季クリスタル・パレスでわずか6試合にしか出場していないMFイ・スンウを選ぶなど、比較的驚きの大きい内容となっていた。

そんななか、見慣れぬチームからメンバー入りを果たした選手もいた。

チュ・セジョン / Ju Se Jong
(牙山ムグンファ)

牙山ムグンファのチュ・セジョンだ。

実はこのチュ・セジョン、現在は兵役の義務を受けている。その最中にワールドカップに向けた候補メンバーに選ばれるという珍しいケースになったのだ。

周知のとおり、韓国では成人男性に対して一定期間の兵役義務を課している。

スポーツ選手の場合、アジア大会や五輪でメダルを獲得すれば免除になるが、それ以外は基本的に全員が満29歳になるまでに約2年間の義務を果たす必要がある。

その際、もちろんサッカー選手は国内外のクラブでプレーすることはできないが、例外もある。韓国警察庁や軍隊のチームでのプレーだ。

牙山ムグンファは韓国警察庁のチームで、兵役期間中のサッカー選手しかプレーすることができないという特徴を持つ。チーム全員が韓国人であるのはもちろんのこと、選手全員が兵役中ということになる。

牙山ムグンファは「安山警察FC」や「安山ムグンファ」と呼ばれていたが、本拠地移転により現在のチーム名となった。

2016シーズンは2部相当の「Kリーグ・チャレンジ」で優勝を果たすも、Kリーグのレギュレーションにより昇格の資格を持っておらず、現在も2部に在籍している。

ちなみに、牙山は忠清南道の北部に位置する都市であり、「あさん」と読む。ムグンファは韓国語で落葉樹の一種であるムクゲを意味するが、これは韓国の国花である。

チュ・セジョンは1990年10月30日生まれの30歳。

昨シーズンまではFCソウルでプレーしていたが、今季から兵役義務が始まり、それと同時に牙山ムグンファへと加入した。

2015年のデビュー以降、A代表に定着することはできなかったが、昨年末に行われたEAFF E-1選手権決勝大会で2試合に出場すると、今季も好パフォーマンスを続け今回ワールドカップに向けた候補メンバー入りを果たした。

ちなみに、今回の候補メンバーの一人である元サガン鳥栖DFキム・ミヌも現在兵役の期間中だ。

キム・ミヌは韓国1部の尚州尚武フェニックスに所属しているが、こちらは国軍の体育部隊。つまり服務中の選手がプレーできるもう一方のチームだ。

尚州尚武は競争率が非常に高いが、Kリーグのチームからしか加入ができない。

キム・ミヌは2016シーズン限りで鳥栖を去ったが、2018年から尚州尚武に加入するためには、2017年にKリーグのクラブでプレーしている必要があったためだとされている(実際にキム・ミヌは水原三星ブルーウィングスでプレー)。

兵役期間中の選手がワールドカップに向けた候補メンバーに選ばれるのは珍しいが、それが2部チームだったというのはかなりのレアケースと言えるだろう。

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