【MLB】大谷は世界最高の選手か…対戦打者の称賛コメントに元外野手が反論「ノー」

開幕から投打でメジャーを席巻する大谷翔平【写真:Getty Images】

対戦打者モリソンが「彼はおそらく世界最高の選手だ」と大絶賛も…

 ベーブ・ルース以来となる二刀流の大活躍で米国に旋風を巻き起こしているエンゼルス大谷翔平投手。13日(日本時間14日)までの本拠地でのツインズ4連戦では、投打両方で圧巻の活躍を見せ、対戦相手のローガン・モリソン内野手が「彼はおそらく世界最高の選手だ」と脱帽していた。この「世界最高」という賛辞が米国で反響を呼んでいる。

 13日のカード最終戦では、圧巻の奪三振ショーを演じた「投手・大谷」の前に沈黙を余儀なくされたツインズ打線。モリソンは2打数2安打と孤軍奮闘し、最後の打席では9球目まで粘って四球をもぎ取り、降板と同点の流れを作った。大谷に一矢報いた形だが、敗戦後に二刀流のスーパースターについて、こう語っていた。

「向こうのクラブハウスには、本当に素晴らしい選手が他にもいる。だけど自分にとっては、マウンドとバットでの活躍を見る限り、彼はおそらく世界最高の選手だ」

 二刀流の活躍に沸くアメリカで、この発言は大きな波紋を広げている。MLB公式「MLBネットワーク」の人気番組「インテンショナル・トーク」でも、モリソンの発言を取り上げた。

 司会を務める元レッドソックス内野手のケビン・ミラー氏は「ノーだ。彼は世界最高の選手ではない。チームで最高の選手でもない。リーグのトップ10の選手でもない」と、反対の姿勢を明確にしている。2003年に中日と2年契約を結んだはずが突然翻意し、来日を拒否したお騒がせ男のミラー氏。天才マイク・トラウト外野手、通算600本塁打&3000安打のアルバート・プホルス内野手ら実力者を擁するエンゼルスでも、大谷はトッププレーヤーではないと断言した。

司会者は反論「誰もがショウヘイ・オオタニのことを応援している」

 もっとも、大谷の活躍については「確かに彼は人々の予想を上回っている」と認めている。オープン戦では結果が出なかったものの、シーズンに入ってからの打撃成績に疑いの余地はなく、「彼は5月半ばの段階でOPS(長打率と出塁率)は1.000を超え、反対方向への二塁打や本塁打も打てるという打撃面でのパワーを我々は目撃している」と続けた。

 大谷は開幕後、打者として20試合の出場し、打率.348、5本塁打、16打点をマーク。ミラー氏は、この活躍を称賛した上で、「投手・大谷」ついても「彼は100マイル(約161キロ)のボールを投げるんだ。壊滅的なスプリットも持っている」と高く評価し、アスレチックスなどで活躍したメジャー通算222勝の名右腕ティム・ハドソン投手に喩えた。

 現時点で世界最高の選手かどうかは意見が分かれるところだが、こういった議論が巻き起こるのも二刀流として素晴らしいパフォーマンスを披露しているからこそ。ミラー氏は「世界最高の選手ではないが、議論を二極化する非常に素晴らしい存在」と独自の分析を加えた。すると、司会のクリス・ローズ氏は、二極化とはファンとアンチファンが存在することであると指摘。その上で「私はそうは思いません。誰もがショウヘイ・オオタニのことを応援していると思いますよ」と反論していた。

 米国でも日々、ビッグニュースを提供している大谷。「世界最高選手」の議論も沸騰気味で、二刀流センセーションは全米で拡大の一途を辿っている。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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