ダークウェブに注意を 横浜でサイバー犯罪対策の研究会

 悪質・巧妙化するサイバー犯罪への対処能力を高めようと、「神奈川サイバー犯罪対策研究会」が15日、横浜市神奈川区の情報セキュリティ大学院大学で開かれた。接続には匿名化ソフトなどが必要なインターネットの闇の空間「ダークウェブ」などをテーマに、専門家らによる講演が行われ、注意を喚起した。

 県警や同大などが主催。幅広く情報共有することを目的に、県や横浜市を含む22の関係機関・団体、企業などのサイバー対策担当者が出席した。

 企業向けのサイバーセキュリティーを専門とするデロイト トーマツ リスクサービスの佐藤功陛ディレクターがダークウェブについて解説。「ダークマーケット」などと呼ばれるサイトで違法に取得したデータや禁止薬物などが幅広く流通している現状を踏まえ、「匿名性が高く、サイバー犯罪に悪用されている」と指摘。「比較的アクセスしやすいダークウェブも登場しており、若い世代を中心に、注意を促す教育が重要」などと提起した。

 その後の意見交換では、利用拡大が見込まれる仮想通貨について「事業者は利益を追求するだけでなく、セキュリティー対策の徹底にも取り組むべき」「仮想通貨のリスクも含めた教育が重要」などの意見が出た。

ダークウェブの危険性などを共有した「神奈川サイバー犯罪対策研究会」=横浜市神奈川区の情報セキュリティ大学院大学

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