2018年のJリーグは10代の若手選手の台頭が著しい。
先日「高卒ルーキー」として奮闘する選手について記事にしたが、今回はさらにそれより下、今シーズン開幕時にはユース(日本サッカー協会第2種チーム)の選手でありながらJリーグに出場できる資格を持つ2種登録の選手たちを少し紹介しよう。
菅原由勢(名古屋グランパス)
2000年6月28日生まれ
2月にMF成瀬竣平と共に2種登録されると、名古屋グランパス最終ラインの要として最下位のチームで大きな希望になっている。
既にプロA契約締結条件を満たし、4月に17歳10ヶ月でプロ契約を結んだ。クラブ最年少記録であり、僅か1か月での大出世である。
U-15~U-17代表歴があり兼ねてから世代別代表では活躍している。トップチームではセンターバックを務めるが、サイドバックやセンターハーフもこなす万能型。事実、5月のセレッソ戦では右サイドバックでのプレーもこなしている。
トップチームともあれば、外国人選手が多くいる。センターバックでコンビを組むホーシャともソツなく連携をとっているなど末恐ろしい逸材である。
宮代大聖(川崎フロンターレ)
2000年5月26日生まれ
川崎フロンターレにはU-10チームから所属しているという地元の期待の星。4月13日にプロ契約をし2種登録も合わせて発表された。今はJリーグデビューを目指している状況だ。
昨年インドで行われたU-20W杯で2得点をあげるなど世代別代表ではエースストライカーとしての風格も備えている。
中学時点でU-18チームに飛び級で参加し、関東では久保建英、平川怜(共にFC東京)らと共に怪物として知られていた。高校3年生でのプロ契約はクラブ史上初のことである。
中村桐耶(コンサドーレ札幌)
16日のルヴァンカップ、清水エスパルス戦で初先発したのがコンサドーレ札幌の中村である。今季Jリーグで好調のコンサドーレであるが、こうした新戦力の発掘も行われており好循環になっている。
ミハイロ・ペトロビッチ監督も「ポジティブな部分を見つけられた、中村だ」と0-3での大量失点にもかかわらず認めるコメントを残している。
高校3年生でありながらすでに身長は186cmと言われており、強さ高さが売りのセンターバックだ。実はこの中村、少し前まではストライカーで“札幌のイブラヒモヴィッチ”と呼ぶ声もあった。
昨年夏にDFで起用され、「自分でもびっくりした」というが1年足らずでこの進歩。伸びしろたっぷりである。
菅原龍之助(ベガルタ仙台)
2000年7月28日生まれ
4月18日のベガルタ仙台VSアルビレックス新潟では仙台の若手起用が驚異的だとして話題となった。
何せスタメンの平均年齢は21.9歳で3名もの2種登録選手を先発起用したからだ。その3人とはDF山下諒時、MF工藤真人、FW菅原龍之助である。
試合には敗れてしまったが、若手の底上げにつながる大きなチャレンジである。菅原は石巻市出身の地元のプレイヤー。180cmとこれまた大柄なフォワードで現在は高校3年生である。
まだ菅原については詳しい情報がないが、ベガルタ仙台が生んだU-17トリオ、一体だれがいち早く出世していくのだろうか。切磋琢磨していく様子をリアルタイムで見られるのは幸せなことだ。
藤原志龍(徳島ヴォルティス)
2000年9月5日生まれ
今季のJリーグ開幕戦で18名ものルーキーが試合に出場した。しかし、2種登録の選手でありながら出場したのは上述の菅原由勢とこの藤原(途中出場)だけである。
これまで紹介した選手が比較的大柄な選手が多い中、藤原は170cm、63kgとも言われている。フィジカルこそまだ成長途上だが、トップ下を中心にプレーし切れ味鋭いドリブルが武器だ。
ジュニアユースから徳島でプレーしている地元っ子で、U-16日本代表歴もある。
ちなみに、「しりゅう」という名前からは『聖闘士星矢』に登場するドラゴン紫龍を連想させるがその関係性は不明だ。
以上、2種登録の選手たちを紹介した。
特に、ルヴァンカップでは規定もあり若手が多く使われている。まだまだ紹介したい選手はいるのだが今回は独断と偏見で上記5選手を紹介した。
現時点で16歳の選手たちも2種登録の中には含まれており、2000年生まれ以降の選手たちが今Jリーグで台頭しようと芽を出し始めている。