渡辺JFE西日本製鉄所長が会見、「圧倒的コスト競争力を」 古川倉敷所長「福山との一体運営推進」

 JFEスチール西日本製鉄所の渡辺敦所長(福山地区所長兼任)と古川誠博倉敷地区所長は17日、福山地区構内で就任会見を行い、両人が抱負や運営方針を語った。

 渡辺所長は「いかなる環境でも、安全をベースにした継続的な成長に向けて、世界最強の商品力と圧倒的なコスト競争力を有する製鉄所に進化・革新する」と力強く語った。将来的には、西日本製鉄所の粗鋼生産能力を年間2300万トンに引き上げたいとした。

 福山地区では、原料価格の変動に対する強みを持たせるため、焼結機の増強投資を行う。この4月には第3コークス炉改修にも入っている。ハイテンなど作りにくい高級鋼の製造に向けた投資も行う。

 ソフト面では、新たな需要を作り出す商品開発、世代交代に伴う技術継承・人材育成で中間層のレベルアップと若手の育成加速にも注力する。

 古川倉敷所長は「倉敷と福山の両地区は30キロの距離しか離れておらず、この地の利を生かし一体運営を進めることが重要。倉敷は環境の変化に強く、地域社会に信頼される製鉄所を目指す」と語った。

 JFEは2018年度から3カ年の第6次中期経営計画で、国内で9千億円規模の投資を行う計画。基幹製鉄所である西日本製鉄所ではその一環として、倉敷地区の連続鋳造設備の新設などの能力増強などを行うとして、「製鋼のネック解消と厚板品種のラインアップ拡充を行う」と述べた。

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