開幕まで1ヶ月を切った2018年ワールドカップ。
今回は、そんな今大会での達成が期待される7つの記録をまとめてみよう。
1. 同一監督による連覇
達成する可能性がある人物:ヨアヒム・レーフ(ドイツ代表)
ワールドカップの歴史において連覇を成し遂げたのは、イタリア代表(1934年と1938年)とブラジル代表(1958年と1962年)のわずか2チームだ。
2014年大会の王者であるドイツ代表は史上3チーム目の連覇を狙うが、仮にこれが現実のものとなればヨアヒム・レーフ監督にとっても快挙となる。
同一監督による連覇はイタリアを率いたヴィットリオ・ポッツォのみで、レーフは史上2人目の達成者になる可能性があるのだ。
ちなみに、イタリアとブラジルが連覇した当時の出場チーム数は16であり、現行の32チーム制になってから達成した例はない。
2. GKによるクリーンシート数
達成する可能性がある人物:マヌエル・ノイアー(ドイツ代表)
ワールドカップにおける最多のクリーンシート数は「10」。
イングランド代表のピーター・シルトンとフランス代表のファビアン・バルテズがそれぞれ達成しているが、それら記録はマヌエル・ノイアーによって塗り替えられるかもしれない。
ノイアーは2010年大会と2014年大会で計13試合に出場し、うち7試合で得点を許さなかった。
長期離脱中ということで登録メンバーに入るかはまだ不明だが、今大会でクリーンシートを4つマークすれば史上最多の記録になる。
なお、イケル・カシージャスもクリーンシート数でノイアーに並んでいる。
3. キャプテンとしての出場試合数
達成する可能性がある人物:ラファエル・マルケス(メキシコ代表)
39歳という年齢で、2018年ワールドカップに向けた候補メンバーに入ったラファ・マルケス。
仮に出場すれば5大会連続出場になるが、この偉業を成し遂げているのはアントニオ・カルバハル(元メキシコ代表)とローター・マテウス(元ドイツ代表)の2人しかいない。
また、マルケスにはキャプテンとしての出場試合数でも新記録の更新が期待されている。
2002年、2006年、2010年、2014年のそれぞれの大会でマルケスは16試合に出場し、14度にわたってキャプテンマークを巻いた。
これはディノ・ゾフと並んで2位タイであり、16試合出場のディエゴ・マラドーナにあと「2」と迫っている。ちなみに、フィリップ・ラームとパオロ・マルディーニは13試合で4位タイにつけている。
麻薬組織との関わりが報じられており登録メンバー入りするかは不明だが…。
4. 通算2500ゴール
特定の選手による記録というわけではないが、マイルストーンの一つとして達成が期待されるのが大会通算2500ゴールだ。
2014年大会で最後にゴールを決めたのはドイツ代表のマリオ・ゲッツェ。
決勝のアルゼンチン戦、延長後半に決めた劇的な決勝ゴールは大会通算2379点目であり、2500ゴールの達成が間近に迫っている。
2500得点まではあと121ゴールだが、1994年大会以降は1大会平均で140得点以上が生まれており、統計通りであれば今大会の終盤に見られそうだ。
5. 選手による最年長出場
達成する可能性がある人物:イサム・アル・ハダリー(エジプト代表)
2014年大会の日本戦で、GKながら途中投入されたコロンビア代表のファリド・モントラゴン。
この出場によりロジェ・ミラが持っていた最年長出場記録を更新したが、決勝トーナメント進出を確実とした状況での交代に「敬意を欠く」という批判もあった。
43歳3日という記録は不滅のものに思われたが、今大会で更新になるかもしれない。
エジプト代表のGKイサム・アル・ハダリーは、1973年生まれの45歳!昨年行われたアフリカ・ネイションズカップでチームを決勝に導くなど活躍し、2018年ワールドカップに向けた予選でもゴールマウスを守った。
エジプトでは正GK争いをしていたアハマド・アル・シャナーウィが負傷により候補メンバーから外れており、アル・ハダリーの本大会行きが現実味を帯びている。
仮にワールドカップに出場すれば、もちろん最年長記録となる。
6. 選手による勝利数
達成する可能性がある人物:メスト・エジル(ドイツ代表)など
4大会連続でベスト4以上の成績を収めているドイツ代表。現在のメンバーは2010年大会で台頭した若手が中心となっており、多くの勝利を経験している。
ワールドカップでの勝利数はメスト・エジルが11勝、マヌエル・ノイアー、トーマス・ミュラー、ジェローム・ボアテングがそれぞれ10勝であり、これらの選手には最多勝利記録を更新する可能性が残されている(PK戦での勝利は含まない)。
ワールドカップにおける一選手の最多勝利数はミロスラフ・クローゼの「17」。仮にドイツが決勝にまで進出し、エジルが全てでプレーすれば18試合となり、クローゼの記録を更新する。
ちなみに、ルーカス・ポドルスキとバスティアン・シュバインシュタイガーは15勝をマークしている。
7. 選手、監督の両方で優勝
達成する可能性がある人物:ディディエ・デシャン(フランス代表)
選手、監督の両方でワールドカップ優勝を経験した達人は、マリオ・ザガロ(元ブラジル代表)とフランツ・ベッケンバウアー(元西ドイツ代表)の二人しかいない。
2018年大会に出場する有力チームの中で、この偉業にリーチをかけているのがフランス代表の指揮官であるディディエ・デシャンだ。
デシャンは1998年大会にキャプテンとして出場しており、チームの優勝に貢献。仮にフランスをチャンピオンに導けば、史上3人目の快挙となる。