住友金属鉱山の中里社長、チリ銅鉱山の早期収益化を 経営戦略進捗状況を説明

 住友金属鉱山の中里佳明社長は17日の経営戦略進捗状況説明会でチリのシエラゴルダ銅鉱山の操業状況について説明し、「まだ当初計画していたレベルでの安定操業には達していないが、操業状況は着実に改善している。操業キャッシュフローもゼロが見えつつあり、銅価が現在の水準にあるうちになんとかキャッシュ・ニュートラルを実現したい」と話した。一方で既存ラインの一部工程を増強することによって操業度を上げる「デボトルネッキング」プロジェクトについては「今期中に投資を実現したいと考えている」と話し、「100億円に満たない投資」でプロジェクト価値の最大化を図る考え。

 17年度のシエラゴルダの稼働率は84・3%(前年は83・9%)、生産量は銅が9万7千トン(同9万4千トン)、モリブデンが1万6200トン(同1万トン)といずれも改善し、銅、コバルトの実収率はほぼ計画値を達成した。今後は操業・収益の安定化とキャッシュ・ニュートラルへの取り組みを継続しつつ、デボトルネッキングの実行に移る。

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