クマガイソウ、鶴田で満開/青森県指定の重要希少野生生物

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棟方さん方の庭で今年もかれんな花を咲かせ、満開となったクマガイソウ

 青森県鶴田町木筒の棟方文雄さん(82)方で15日、県レッドデータブックで重要希少野生生物(Bランク)に指定されている「クマガイソウ」が今年も満開となった。扇子状の2枚の葉の中心から伸びた茎についた薄紫色の花が、かれんに風に揺れている。

 県レッドデータブックによるとクマガイソウはラン科の多年草で草丈20~30センチ。和名は鎌倉時代の武将熊谷直実が背負っていた母衣(ほろ)に由来しているという。

 棟方さんは35年ほど前に譲り受けた1株を大切に育てており、最盛期は100株ほどに増えた。ネズミの食害に遭って一時数を減らしたが、今年は80株ほどが成長している。棟方さんは「来年はもっと多く咲くかも」と期待している。

 元々植物に興味がなかった棟方さんだが、東奥日報夕刊で1966年9月~67年7月まで連載された「青森県植物風土記」を編集し1冊にまとめた「青森県植物誌」購入をきっかけに、山野草に魅力を感じるようになった。

 同誌ではクマガイソウを「車力村(現つがる市)の屏風山の植物としてぜひ紹介したい。特に珍しいものではないが全国的に少なくなっている。風変わりな形の見事な花は一度見たら忘れることができない」と紹介しており、棟方さんは読了後、ずっと気になっていたという。

 この時期、棟方さんの庭にはサクラソウ、ユキザサ、エビネなどが咲き誇るが「クマガイソウが一番好き。屏風山にはもうなくなったと聞くが、郷土の花として大切にしたい」と愛情をこめて育てている。

【2018年5月18日(金)】

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