F1 Topic:ホンダも反対している2021年のPUレギュレーション『MGU-Hの廃止』は条件付きか?

 現行のレギュレーションが2020年限りで満了を迎えるため、現在FIAとF1は新しいレギュレーション作成ために、パワーユニット・マニュファクチャラーとの会合を重ねている。この話し合いはPUワーキンググループと呼ばれ、昨年10月にリバティ・メディアが発表した提案を元に進められている。その提案とは、エンジンの骨格は現行同様1.6リッターV6ターボでMGU-Kを使用するハイブリッドだが、熱エネルギー回生システムであるMGU-Hは廃止するというものだ。 

 だが、スペインGPの金曜日の会見に出席したホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「FIAが打ち出している方向性については尊重し、同様に他のマニュファクチャラーの方向性にも敬意を払っています」と前置きしつつ、「このままMGU-Hが本当に廃止されることになれば残念です。MGU-Hは将来性のある最高峰の技術で、市販車領域にも関連しているので、ホンダはこのテクノロジーを維持したいというのが正直な考えです」と公の場で、ホンダの立場を初めて発表した。

 興味深かったのは、田辺TDの発言を聞いていたメルセデスのマネージングディレクターを務めるアンディ・コーウェルが、ホンダに同調したことだ。
「MGU-Hの存在によって、F1のエンジンは熱効率は5%向上し、新たな技術革新を達成した。MUG-Hの廃止はF1にとって後退だ」

 なぜ、ここに来て、このような発言が出て来たのか。それはMUG-Hの廃止は完全に決定していないからではないだろうか。

 というのも、MUG-Hの廃止は2021年に新たに参戦してくるマニュファクチャラーが参入しやすくするために、技術的なハードルを下げることが目的だったからだ。したがって、MUG-Hを廃止したにもかかわらず、新規参入してくるマニュファクチャラーが出てこなかった場合は、現在の4マニュファクチャラーにとって、MGU-Hを廃止するというレギュレーションは改悪でしかない。

 つまり、現時点でMUG-Hの廃止はあくまで『新規にマニュファクチャラーが参戦してくる場合』という条件付きであり、もし新規参入してくるマニュファクチャラーが出てこなかった場合は、『MUG-H復活』もありうるのではないか。

 今後の話し合いの行方に注目したい。

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