生きざま写し日本協会新人賞 雫石の写真家・奥山さん

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井上弁造さんを約20年間撮り続け、日本写真協会賞新人賞に輝いた奥山淳志さん

 雫石町長山の写真家奥山淳志(あつし)さん(45)が、今年の日本写真協会賞新人賞に選ばれた。北海道で1人暮らしを続けた故井上弁造さんの日常や死後に約20年向き合い撮影した「弁造 Benzo」が「控えめで濃密な日常空間をめくりながら、写真表現の新たな地平を開いた」と評価された。

 残された絵の具や筆、誰もいない部屋、白い歯が光る遺影-。352ページの写真集は井上さんの死後を捉えた写真から始まり、出会った当初から最期の日を迎えるまでをたどる。

 井上さんは、1920(大正9)年生まれの開拓農民。北海道新十津川町で自給自足生活を続け、2012年に92歳で亡くなった。

井上弁造さん=弁造 Benzoより

 東京の出版社に勤めていた奥山さんは1998年、取材で井上さんの丸太小屋を訪れ「高度経済成長による異常な変化に太刀打ちできるヒントとなるものを始めたい、伝えたい」と語る姿に感銘を受けた。

 同年夏に退社し、愛する宮沢賢治の故郷の本県に移住。毎年4、5回北海道に通って撮影を続けた。

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