「大気汚染が影響」 梅生育不良で広島大教授報告

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 梅の生育不良と大気汚染との関連性を調査する広島大学大学院生物圏科学研究科の佐久川弘教授は、17日に和歌山県田辺市内であった「田辺うめ対策協議会」の役員会で、これまでの調査について報告。昨年の報告に続き、大気汚染や酸性雨が生育不良に関係する可能性が高いことを示した。調査は今後も続けるという。

 佐久川教授は、協議会から委託を受け、大気汚染物質濃度の測定データを利用して生育不良と大気汚染との関連性を調べている。

 この日の報告では、生育不良が顕著だった1990年代から2000年代にかけては、全国各地で松枯れなど植物が枯れる被害が見られたことを挙げ、「どこも大気汚染や酸性雨がひどかった。それが影響していると考えられる」と指摘した。

 具体的には当時、二酸化硫黄と光化学オキシダントの濃度が高かったことを挙げた。その後、12年から13年にかけての調査では二酸化硫黄は低くなっていたが、光化学オキシダントはほとんど変わらない状況だったと説明。「以前は国内で発生したが、今は中国からの越境汚染が疑われる」と語った。

 「時々、濃度が高くなることがある」として、その原因を「風の向き。阪神方面や県北部から風が吹くと高くなる。それは今も昔も変わらない」と説明した。田辺市上芳養など標高が高い場所は影響を受ける可能性が高いとも語った。その上で、「植物の被害と大気汚染の因果関係を調べるのは難しい」と示した。

【大気汚染の調査を報告する広島大学大学院生物圏科学研究科の佐久川弘教授(17日、和歌山県田辺市内で)】

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