国産ウイスキー、消費拡大と輸出の増加で原酒不足!一部銘柄が販売休止に

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 15日付の日本経済新聞は、サントリーHDの蒸留酒メーカーであるサントリースピリッツが国産ウイスキーの一部を販売休止すると伝えている。販売が休止となるのは、「白州12年」と「響17年」の2種類のウイスキーで、国内ウイスキーマーケットが10年間で2倍に拡大し、約16万キロリットルに達したことから、原酒が不足する事態に見舞われたという。

 日本では歴史の新しいウイスキーは、日本人の誠実な造り手が徐々に力を付けて、国産ウイスキーの評価を高めて来た。今や、ウイスキーの国際品評会で国産ウイスキーが受賞することは珍しいことではない。日本固有の日本酒の命は、「水と米」と言われる。日本酒にとって命と例えられる水は、ウイスキーにとっても同様の重みを持っている。「名水」と言われるほどの良質な水が豊富な日本は、ウイスキーにも恵まれた環境である。

 国際的な評価の高まりを受けて、ウイスキーの輸出金額も増加している。17年1~10月の輸出金額が116億円となり、前年同期比で3割ほどの増加となっている。順調に伸びるインバウンド(訪日外国人)が、日本で覚えた国産ウイスキーの味を忘れられずにいるとすれば、ジョニ黒やオールドパーを無条件で有難がっていた身には、まさに隔世の感がする。

 ただ、ウイスキー製造のネックは、簡単に増産できないところにある。ウイスキーは原料を発酵させて、蒸留し、木製の樽で最低でも複数年熟成させる必要がある。木の樽に入る容量は精々500リットル位のものである。家庭用のバスタブの容量が200~250リットル程度なので、一樽に風呂の水が2杯分しか入らない。増産するためには、木の樽と貯蔵場所を、貯蔵年数分用意する必要がある。

 ウイスキーは味を均一化させるためにブレンドするのが基本である。例えば「〇〇12年」という商品の場合、ブレンドされた中で最も短い熟成年数が12年という意味である。つまり「〇〇12年」という商品は、増産を決定してから出荷するまで、とても長い時間を必要とするのである。

 年内に販売休止となる「白州12年」や「響17年」に限らず、人気ウイスキーの実売価格はかなり幅がある。愛飲している銘柄の価格上昇に面映い嬉しさを感じる人もいるだろうが、マネーゲームのようになることを期待してはいないだろう。

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