近世の神社建築として高い評価 兵庫・丹波の高座神社本殿、国重文指定へ

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精緻な彫刻や彩色が美しい高座神社の本殿=丹波市山南町谷川(撮影・中西幸大)

 国の文化審議会(佐藤信会長)は18日、兵庫県丹波市山南町谷川にある江戸時代中期の建造物「高座神社本殿」など9件を国重要文化財に指定するよう林芳正文部科学相に答申した。同神社は平安中期に編さんされた史料「延喜式」に記載されている式内社。江戸時代に再建された本殿は、複雑な構造の屋根に加え、内側には精緻な彫刻や彩色が施されるなど丹波地域独特の意匠で、近世の神社建築として高い評価を受けた。

 高座神社によると、山裾に位置する同神社は、創立時期は不明だが、927年に編さんされ、全国の神社をまとめた「延喜式神名帳」に丹波国氷上郡17社の首座として記述されているという。中世には一帯を治めていた久下氏が祈願所として利用し、江戸期には柏原藩織田家の保護を受け、信仰を集めたとされる。

 現存する本殿は1705年に再建されたもので、高さ約9・5メートル、幅約11メートルと近世の神社本殿としては丹波で最大級。正面に6本の柱がある五間社で、屋根はヒノキを用いた檜皮ぶき。屋根全体は流造りで、三角形の千鳥破風を備えながらも、礼拝のために設けられている中央の向拝は、入り母屋造りで曲線状の唐破風が採用され、重厚で華やかな造りになっている。

 屋根の内側には、彩色された彫刻群があり、向拝の正面には長寿と平和の象徴である老夫婦と守護神の力士が施されている。竜などの霊獣に加え、天人や雲などもあしらわれ、彫刻部分のみに色づけする丹波独特の技法が用いられている。

 兵庫県教育委員会によると、本殿は1976年に県の重要文化財に指定。2015年に3年がかりの解体修理工事が完了し、彩色部分は再建当時の色使いを復元した。県内の国重文の建造物は109件目。丹波市内の指定は44年ぶりで3件目になる。(井上 駿)

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