水俣病「救済終了」発言を撤回 チッソ、社長は続投

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後藤舜吉社長名の文書を読み上げるチッソ水俣本部の新井次郎事務部長=18日、水俣市

 水俣病の原因企業チッソは18日、事業会社JNC株売却の要件となる「救済の終了」を巡り、「私としては終わっている」とした後藤舜吉社長の発言を撤回し、謝罪した。抗議していた水俣病被害者・支援者連絡会に文書で回答し、同社のウェブサイトにも謝罪文を掲載した。

 連絡会の9人が同日、水俣市のチッソ水俣本部を訪問。新井次郎事務部長が「言葉足らずを反省し、不安と不快の念を与えた発言を撤回する」とした社長名の文書を読み上げた。社長の進退について新井氏は「責任を全うする」と続投を明言した。

 連絡会側は「どの部分に問題があったと認識しているのか分からない」「発言は後藤氏の本音だ」と批判。撤回理由のさらなる説明を求めた。

 JNC株の売却には環境相の承認が必要。水俣病特別措置法(特措法)は「救済の終了」と「市況の好転」を要件としている。

 同社によると、15日に環境省から社長発言の真意を公表するよう口頭で指導を受けた。「救済の終了」については、同省が判断することも確認したという。

 後藤氏は1日の水俣病犠牲者慰霊式の後、「特措法で可能な限り救済した。できるだけ早くしたほうが、患者さんも安心できる」と述べ、売却の早期実現に意欲を示した。連絡会は発言撤回と社長辞任を求めていた。(山本遼)

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