WRCポルトガル:アクシデント多発! 波乱づくしの2日目はヒュンダイが首位浮上

 WRC世界ラリー選手権第6戦ポルトガルは5月18日、デイ2のSS2~9が行われ、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)やセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)といった有力選手が次々と戦線離脱するなか、ランキング2番手のティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 WRC)が総合首位に浮上した。トヨタはエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合5番手となっている。
 
 2018年シーズン中盤におけるヨーロッパ連戦のファーストラウンドとして幕を開けたラリー・ポルトガル。その初日は前戦の第5戦アルゼンチンで今季初優勝を飾ったタナクがトップで終え、18日(金)のデイ2を迎えた。
 
 自身初の連勝を狙うタナクだったが、この日最初のステージであるSS2でコース上に転がる岩にヒット。エンジン周りを損傷したことで早くも今ラリーから姿を消すこととなってしまった。
 
 ラリー・ポルトガルはこのアクシデントを機に続々と波乱が巻き起こる。続くSS3では、前日復調の兆しをみせていたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が、タナクと同様にコース上の岩でサスペンションを壊してデイリタイアに。
 
 また、午後最初のSSとなったSS5では、総合4番手につけていた王者オジエがまさかのクラッシュ。ステアリングアームを損傷し、こちらもデイリタイアを余儀なくされることとなった。
 
 さらに、SS6終了時点で僅差で争うクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)とダニ・ソルド(ヒュンダイi20 WRC)を交わしトップに浮上したヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20 WRC)も、SS7でクラッシュを喫してしまう。

 衝撃でタイヤが外れるほど左フロントに大きなダメージを負ったマシンは走行不能となり、パッドン自身も背中に痛みを訴え病院に搬送された。また、同じくSS7では僚友のアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20 WRC)もマシントラブルによって戦線離脱を余儀なくされている。

 一方、ライバルたちが続々と姿を消すなかで着実に順位を上げていったのは、2日目首位となったヌービルだ。午後のSS5終了時点では総合6番手に留まっていたヌービルは、SS2~4の再走となる午後のループにソフトタイヤを投入。
 
 この戦略が功を奏しSS6~9で4連続ステージ優勝を飾って首位に浮上すると最終的に、総合2番手につけたエルフィン・エバンス(フォード・フィエスタWRC)に17.7秒のマージンを築いてラリー2日目を終えた。
 
 総合3番手は午前のループで首位に立ったソルドがトップから24秒差でつけ、以下、ティーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)、ラッピ、マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)までがトップと1分以内となった。総合7、8番手となったミークとクレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)はそれぞれパンクによりポジションを下げている。

 WRC2に参戦しているトミ・マキネン・レーシングの新井大輝(フォード・フィエスタR5)は総合16番手/クラス8番手で2日目を完走。一方、僚友の勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は2本のタイヤがパンクする不運に泣かされデイリタイアとなった。
 
 競技3日目となる19日(土)のデイ3は、サービスパークあるマトジニョスの東側に広がるカブレイラ山脈でSS10~SS15の計6SSが行われる。SS12と再走ステージであるSS15“アマランテ”は今ラリー最長、37.6kmのロングステージだ。6本のSSの合計距離は154.64km、1日の総走行距離は601.60kmに達する。

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