被爆者の証言を2世が聞き取り

 被爆2世らでつくる「長崎被災協・被爆二世の会・長崎」は、1人暮らしやこれまで被爆体験を語ってこなかった被爆者からの証言の聞き取りを進めている。19日は会員4人が、長崎原爆青年乙女の会などの会員、反納(たんのう)清史さん(75)=長崎市城山町=の体験に耳を傾けた。
 反納さんは2歳の時、爆心地から約2・2キロの同市旭町の自宅で被爆した。当時、両親と生後間もない妹の4人暮らしで、全員無事。その時の記憶はないが、反納さんが昼寝をしている間に原爆に遭い、左半身にやけどを負ったという。
 その後、髪の毛が生えず、「原爆ハゲ」などと近所の子どもからいじめられた。高校生になると、放射能の影響でどんな病気になるのか分からないことが怖かったという。「こんな悲惨な事態があってはならない。核廃絶の実現のために、被爆2世も声を上げ続けなければならない」と会員に訴えた。
 この日は「長崎被災協・被爆二世の会・長崎」の総会が長崎市内であり、会員ら約20人が本年度の活動計画を承認。長崎原爆被災者協議会の田中重光会長の記念講演もあった。

被爆者の反納さん(左)の体験に耳を傾ける「被爆二世の会」の会員=長崎市城山町

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