金属行人(5月21日付)

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 LME(ロンドン金属取引所)ニッケル価格の上昇基調が続いている。先月中旬に今年最高値となるポンド当たり7ドル超を付けた後、6・1ドル台まで反落したが、先週には再び6・5ドル超まで反発した。ファンダメンタルズの改善や電気自動車の普及加速に伴う電池向け需要拡大への期待感が押し上げ材料となっているもようだ▼足元のニッケル価格は昨年最安値に比べて67%高の水準。2015年まで5年連続の供給過剰となっていた需給バランスは、価格低迷で新規プロジェクト投資が抑制されてきたことなどから不足バランスが継続し、今年で3年連続の供給不足となる見通し▼供給面では、インドネシアによる未加工鉱石の輸出再開で原料調達事情が改善した中国の含ニッケル銑鉄(NPI)生産が再び増加傾向となっているほか、インドネシアのNPIプロジェクトも順調に立ち上がってきている。一方で消費量も堅調に伸びる見通しにあり、今年の不足幅は前年並みになるとの見方が強い▼需給指標となるLME在庫の減少も本格化しており、年初比で6万トン以上(17%)減少。14年6月以来、4年ぶりとなる30万トン台割れが見えてきた。このまま在庫減少が進めばニッケル価格の力強さがさらに増しそうだ。