ケンテック、国内初の鋼製フラクタル日除けを京大と共同開発 温度上昇を抑制

 建材加工メーカーのケンテック(本社・東京都千代田区、会長・矢口滋氏)は鋼製日除け「くつろぎの葉っぱ(英語名、PleasantLeaves)」を京都大学と共同開発した。自然の樹葉を再現したフラクタル形状により、温度上昇を防ぐとしている。鋼製のフラクタル日除けは国内で初めてで特許も取得済み。同社では子会社のケンテック建興を通じて、公園や商業施設、養殖場向けなどに販売する。

 フラクタル形状の日除けは樹脂製や布製は製品化されていたものの、不燃性や強度、耐久性に優れる鋼製は同社の製品が初めて。材質には日鉄住金建材のフッ素樹脂フィルムラミネート鋼板「スーパーフロールボンド」を採用し、メンテナンスフリーで30年保証を実現した。

 不燃性を実現したことで、ヒートアイランド現象を引き起こす都市部向けの設置に適するとともに、強風や積雪重量の耐性も優れるため、台風が多い地方や豪雪地への設置にも対応する。また樹脂製や布製に比べてランニングコストも抑制できるとしている。

 同社では人が集まる公園の幼児の遊び場(砂場・プール)やキャンプ場、商業施設やバス停、駅のホームのほか、金魚や鯉などの養殖場施設など産業向けに販売する。4月には日鉄住金建材の君津鋼板工場サブエンター前の屋外日除けを施工した。

 フラクタル形状の日除けは、熱を持たない小さな面を隙間なく3次元状に並べたもので、風の透風性が確保されており、日差しを覆う屋根そのものが熱を持たない構造となっている。自然の樹葉のような木漏れ日を再現することで、爽やかな陰を演出する。

© 株式会社鉄鋼新聞社